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消費増税でむしろ税収は減る。財政破綻の瀬戸際に立つ日本は水道民営化へ=矢口新

日本の資産はプラマイゼロ。債務国になる瀬戸際

では、地下に眠る自然資源の価値が上昇すれば、資産が増えるのではないか?

ここで問題となるのが、歳出、税収の図が実際のキャッシュフローを示しているのに対し、IMFの新国富論での資産は、大胆な推計による「絵に描いた餅」の価値に基づいたものであることだ。

例えば、国有資産である海底資源を「食べられる餅」に変えるには、採掘が必要だ。誰が採掘する? 外国企業に採掘権を売れば、資産に見合う継続的な収入を得られる見込みがなくなるので、純債務国に転落する。では、日本企業ならどうか?

2017年度の法人申告所得総額は前年度比11.5%増の70兆7,677億円と、8年連続の上昇で、記録が残る1967年度以降、初めて70兆円を超え、過去最高となった。一方で、申告法人税額は16年度比11%増の12兆4,730億円と、ピーク時1989年度の18兆6,412億円に大きく及ばなかった。

これで分かるのは、実質的な法人税率が17.6%だということだ。これは、単純に考えれば、企業所得が100兆円になっても、税収は18兆円に届かず、ピーク時1989年度の18兆6412億円にも及ばないことを意味する。

となれば、日本企業に国有資源を採掘させ、企業収益が伸びたとしても、日本の税収はそれ程増えないことになる。ここでも現在プラマイゼロの純資産は、国民の資産を企業に事実上譲り渡したことにより、マイナスに転じてしまうことになるのだ。

消費増税の目的は「財政再建ではない」?

ここで、簡単な算数問題を出題する。

-97.7(兆円=歳出18年度予算)+ 59.1(兆円=税収18年度予算)+ 5.6(兆円=税収増見通し)-3.4(兆円:1年分の歳出増見通し)=??

答えは、小学校中学年なら分かる。-36.4(兆円=2020年度の財政赤字見通し)だ。

現在の消費税収は17.6兆円だが、これが増税後は23.2兆円となり、現在19兆円の所得税を抜いて、日本政府の最大の財源になる。

とはいえ、消費増税は景気後退・所得減に繋がることから、増税分を上回るような財政出動を行わない限り、引き換えに所得税や法人税が減ることになる。これを冷静に判断するならば、消費増税の目的は、財政再建ではないことになる。

つまり、日本政府はどう計算しても財政赤字を減らせる見通しが立たないので、財政悪化に繋がってでも、キャッシュレス決済、自動車減税、公共工事、先端技術活用、人手不足等々の、特定の産業に恩恵を与えることにしたようなのだ。

一方、大型の財政出動を行えば、景気後退の歯止めとなる可能性は高まるが、消費増税分以上に、所得税や法人税が減る可能性がなくなるわけではない。

つまり、消費税率の引き上げ後に、財政出動や金融緩和を行っても、総税収が減ってしまう可能性があるのだ。これは、消費税導入後の1990年度が日本の税収のピークであり、5%に引き上げた1997年度が経済規模のピークだったことからすれば、相当に確度の高い推論だ。

Next: 財政破綻は時間の問題? 消費増税で結果的に税収減へ…

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