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米株市場には楽観的な見方が増加。今こそ「バレンタイン・クラッシュ」に備えよ=江守哲

自動車販売は低迷する一方、新築住宅価格は底堅く推移

また、中国の18年の新車販売台数は前年比2.8%減の2,808万台となったことも、ショッキングなニュースです。

前年実績を割り込んだのは1990年以来28年ぶりです。米中貿易摩擦を背景に購買意欲が減退したといえます。

自動車販売の低迷で、中国経済の下押し圧力がさらに強まる可能性があるでしょう。

乗用車の販売台数は4.1%減の2,371万台、商用車は5.1%増の437万台でした。一方、中国政府が普及を後押ししている電気自動車(EV)などの「新エネルギー車」は61.7%増の126万台と、好調を維持しました。

販売台数の落ち込みの背景には、17年末の小型車減税打ち切りに加え、経済成長の減速や米中摩擦が消費者心理に影響を与えたことがあるようです。これらの短期的な圧力は続く見通しです。

ちなみに、12月の全体の新車販売台数は前年同月比13.0%減の266万台で、6カ月連続で前年を割り込みました。

ただし、中国の世帯当たり自動車普及率は都市部でも4割にとどまっており、長期的にはまだ成長が見込まれています。

中国政府は今年、自動車メーカーに一定割合の新エネ車の生産・販売を義務付けました。日系を含む各社は新たな主戦場として新車種の投入を急いでいます。

今後の中国国内の自動車販売の状況もしっかりとみておくべきでしょう。

一方で、中国の新築住宅価格は昨年12月も底堅く推移しました。政府が不動産価格の抑制策を導入しているものの、大都市で住宅価格が値上がりしました。

中国当局は預金準備率の引き下げなど、相次いで景気下支え策を打ち出しているが、これが不動産価格を下支えしている可能性があります。

12月の中国主要70都市の新築住宅価格は平均で前月比0.8%上昇し、11月の0.9%上昇から若干鈍化しました。前月比ベースでは44カ月連続の上昇です。

70都市の大半では、前月比で新築住宅価格が上昇しました。ただし、価格が上昇した都市は11月の63都市から59都市に減少しており、伸びが鈍化する兆しも出ています。

前年比では9.7%上昇し、伸び率は11月の9.3%を上回りました。17年12月の5.4%上昇を大幅に上回っています。

12月は中小都市との比較で、北京、上海、深セン、広州といった大都市の価格上昇が目立ちました。大都市の住宅価格は前月比1.3%上昇で、11月は0.3%上昇でした。

最も値上がりしたのは広州で、前月比3%上昇でした。2級都市と3級都市はともに前月比0.7%上昇でした。

住宅セクターの長期見通しについては、依然として強気の見方が多いようですが、当局者によるバブル警戒や米中貿易摩擦による経済へのリスクを背景に投資家の意欲は後退しているもようです。

一方、18年の新規不動産融資は6兆4,500億元で、新規融資全体の39.9%を占めたもようです。17年の41.1%からはやや低下しています。

Next: これらの方向性も踏まえ、アメリカ市場の今後の行方は?

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