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米株市場には楽観的な見方が増加。今こそ「バレンタイン・クラッシュ」に備えよ=江守哲

5%を超える調整を25回繰り返し、大底まで78.4%下落

さて、今回の株価調整はハイテクバブル当時と同じとの解説を繰り返してきました。

ハイテクバブル当時には、どのような株価推移だったのでしょうか。これを振り返っておくことは、今後起きるであろう株価推移を想定するために、必要不可欠であると考えられます。

この点を解説している市場関係者はどなたもいらっしゃらないので、私がしっかりと行っておきたいと思います。

ハイテクバブル当時のナスダック指数の動きを見てみると、2000年3月の高値から2002年10月の大底確認まで、78.4%下落しました。

この間、5%を超える調整と戻りをなんと25回も繰り返しています。25回です。すごい回数です。それだけ大きな上下の変動を繰り返しながら、下げ相場が形成されていったわけです。

したがって、直近安値から10%から15%程度の戻りがあっても、何も不思議ではありません。まさに今回の戻りも子の反中です。

つまり、今回のような戻り局面を確認しただけで、下げ相場が終わったなどを考えるのは、あまりに早計と言わざるを得ないわけです。

ちなみに、ハイテクバブル当時のナスダック指数は、25回もの上下動を繰り返し、それぞれの平均は下落率が18.97%、上昇率が18.13%です。平均の下落期間は22日、上昇期間は16日です。

このような騰落率と期間を繰り返して、最終的に底値を付けたわけです。これだけでも十分驚きでしょう。

また、当時の累積下落率はなんと474%に達します。これは、それぞれの押し目の安値で買い、放置を繰り返すと、資産が5回無くなっていることを意味します。

つまり、戻りをよほど上手く売ってトレートしない限り、資産はあっという間になくなってしまうわけです。

それだけ、下落相場の中での押し目買いにはリスクがあるわけです。

一方、今回も同じように調整と戻りを計測していますが、徐々に似たようなパターンになってきているように見えます。

今回はすでに15%も戻していますので、一定の戻りを完了したと考えてもよさそうなところにきています。

戻してもあと3%ぐらいでしょうか。それくらいで見ておけば、ちょうどよさそうです。

また、主要株価指数の20日移動平均線からの乖離率も、すでに5%を超えています。明確な過熱圏に入ってきました。

すでにピーク圏に来ていることは理解しておく必要がありそうです。

繰り返すように、これから激しい上下動を繰り返して、底値を付けに行くでしょう。まだ何も始まってないといってもよいかもしれません。これからが本番でしょう。

間違っても、「底値確認から高値更新を目指す」などといった、万年強気派の声に騙されないことです。

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