【その4】予算が続く限り「買い下がる」
目をつけたいい銘柄を、株価が大きく下落した時に買えたでしょうか。基本的にはそのまま持ち続けるだけですが、状況はそれだけでは終わりません。
もう下がらないと思って意気込んで買っても、そこから更に下がることも往々にしてあります。むしろ、そうなると思っておいた方が良いでしょう。どんな天才的な投資家であっても、大底で買うことはできないのです。
ここで予算の考え方が重要になってきます。まだ下がることを想定していれば、最初から予算を使い切るほど多く投資することはないでしょう。大きく下落するごとに買い増しを行い、購入単価を下げていくことが必要です。
これを「買い下がる」といい、1円にこだわるバリュー投資家にとって不可欠な手法です。
2019年は軟調な展開が想定されますから、この手法を使わない手はありません。予算の範囲内で、慎重さを保ちながらも買い下がり、最終的に予算いっぱいまで買うことが長期投資家がやるべき仕事です。
【その5】1~4を繰り返し、相場全体の上昇を待つ
さて、良い株を安く仕込んだら成果が出るのはいつになるでしょうか。運が良ければ明日にでも上がることはあります。しかし、それを期待してはいけません。
株価は毎日動いていますから、上がることもあれば下がることもあります。それを予測することは極めて難しく、日々の変化にこだわると投資は投機に姿を変えてしまいます。また、複数の銘柄のうち一つの銘柄が多少上がったところで、全体の資産の増え方はわずかなものです。
本当に資産が大きく増えるのは、相場全体が上昇する時です。どんな上手な投資家でも、相場全体の上昇がなければ資産を大きく増やすことは難しく、逆にどんな下手な投資家でも、相場が上昇すれば資産を増やすことができます。
投資の成果の半分以上は相場次第です。この事実を認めることで、投資家はようやくスタートラインに立つことができます。
長期投資の成功は、上昇相場が来るまでにどれだけ多くの株式をどれだけ安く仕込めるかにかかっています。株価の動きはコントロールできませんが、年間予算を設定することで仕込む量はコントロールすることができます。
最終的にはどれだけ資金を投じられたかどうかが、将来の資産額を分けるのです。