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あらゆる嘘がバレた中国、これから先も「中華復興」が失敗に終わる当然の理由=黄文雄

荒唐無稽な中国的数字

日本でも、かつてに比べて中国情報がだいぶ報じられるようになりました。それにより、習近平の野心や中国の危うさに気づく日本人が増えてきたと思います。安倍政権への支持率の高さや、憲法改正肯定派が増えていることからも明らかでしょう。それは、日本の言論人や学者をはじめ、日本のマスメディアは中国に注目しすぎており、中国の一挙手一投足を報じすぎるからだと私は思っています。

そもそも中国は、嘘が国風となっている国です。嘘によって成り立ち、嘘によって国が滅んできたといっても過言ではありません。「大躍進」で中国が沸いた1960年初期、実際には数千万人が餓死するという惨状でしたが、中国の指導者や日本のマスメディアは「中国の奇跡」だと本気で信じていました。

大躍進政策は、毛沢東が「数年以内にアメリカ、イギリスを追い抜く」と宣言して旗を振った、農業と工業の大増産計画です。この毛沢東の指示により、当時、各地で農業や工業における「素晴らしい成果」が次々と報告されました。各地方政府が競うように収穫量や鉄鋼生産量の飛躍的増産成功を報告し、一時は、中国の鉄鋼生産量がそれまでの1年分をたった1日で成し遂げたという「大成果」まで謳われました。

言うまでもなく、これらは毛沢東の覚えめでたくなるための虚偽の水増し報告の結果です。ところが増産報告をすれば、それだけ税として中央政府に収める生産物も増大します。そのため、村人の食料として必要な分までも政府に収めなくてはならなくなり、それに加えて地力を無視した過密な栽培を行ったことで凶作も相次ぎ、その結果、全国で5000万人とも7000万人ともいわれる餓死者が発生してしまったのです。

世の中にそんな無茶な「奇跡」があるはずがないことは、誰でもわかることですが、中華思想の中にあっては、それさえもが本当のことのように思われてしまったのです。

同様のことは、現在も続いています。改革開放後、中国のGDP成長は以前の約100倍とも200倍とも言われましたが、中国のGDPの数字がいい加減であることはよく知られています。2017年のGDPは、地方政府の合算が中央政府発表額より52兆円も超過していました。いつもながら水増し疑惑が囁かれ、信憑性がまったくありません。

17年中国GDP、地方合算が中央発表を52兆円超過 “水増し”鮮明、信憑性にも疑念

「中国的数字」はこのように荒唐無稽なのです。そもそも国家の基本的な数字となる人口でさえ、国務院は把握していません。政府が発表する数字もその都度、部署によっても違っており、2~3億人ほどの違いが生じることもあります。この人口数の誤差は、清朝時代からすでに見られるものであり、決して最近始まったことではありません。事実関係の把握をせずに、結論ありきの理想数字を打ち出してばかりいるため、現実からどんどん乖離していってしまうわけです。

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