割安中小型不人気銘柄の見落とされた視点
不人気のまま株価が安く放置されてしまう理由について、次の9つのポイントが当てはまるようです。
1.流動性の低さ
あきらめの境地で売り叩く動きが見られるとボトムとなるタイミングが接近する。出来高がどこまで増加するのか、信用取引の期日などもあって出来高がどのように増加するのかがポイントと言える。過去の株価のピーク時にどの程度のデイリー、ウィークリー、マンスリーの出来高があったかをチェックしておくと良い。
2.浮動株
発行済み株式数のうち、売り買いの対象となるのが浮動株。上位10位以上の投資家に加え上位20位までの大口投資家が買い増すのか、どの程度保有しているのかに関心を持っておきたい。浮動株が大口投資家やファンドなどの買いで少なくなってくれば株価は動きやすくなるはず。
3.大株主
何でこの株をオーナー以外の投資家が保有しているのかが気になる。かつてはお菓子屋さん経営の竹田和平さんが話題だったが、このところは光通信の存在が気になる。福田商事も時々目にする法人投資家で高配当利回り銘柄を保有している印象。
4.セクター
市場で人気のセクターは基本的にはIT系、創薬系、Eコマース、各種サービス系、各種技術系など。分野ごとにパイオニア的な存在には関心が持たれやすい。現状の不人気セクターとしてはゼネコンをはじめとする建設、土木、住宅、消費関連など。これは緊縮財政と消費税増税がネックとなっている結果だろう。一方で、日本国の災害の多さから再び建設セクターが見直される要素がある点は絶えず念頭に入れておきたい。
5.二律背反
リスクマネーは思惑を呼ぶセクターに向かいやすい。上げトレンドにある銘柄にこそ買いが五月雨的に入っていくので短期マネーが集中しやすい。二律背反のため、これらに人気集中する間は不人気セクターにはなかなか短期のホットマネーは向かわない。但し一旦この流れが何らかの理由で変化すると一気に形勢逆転となる可能性もある。
6.IR
不人気銘柄はIRが下手くそ。くそまじめにお仕事をするだけでは、今の投資家はなかなか乗ってこない。説明会をやったとしても通り一辺倒では伝わるものがない。この場合、孫社長のような天才肌の経営者のプレゼンが参考にはなる。いかに未来を語り、投資家に夢が与えられるのかがポイントと言える。
7.配当性向と配当利回り
人気銘柄は結果として、配当利回りが低下し市場平均を下回ることが多い。中には配当性向を100%にして配当利回りを高めにしている企業もあるが、概ね人気が高い。ただ、本来はできるだけ配当性向が低くて増配余地が高い企業に投資すべきだろう。基本的には配当性向を徐々に高めるスタンスの企業には注目したい。
8.PER
不人気銘柄のPERは低いのが一般的。成長性の無さを見透かされた結果だが、それでも継続的に業績を上げ得る銘柄も見出せる。中期計画の設定がそのヒントになる。
9.PBR
不人気銘柄のPBRは極端に低い。1倍割れどころか0.5倍すら割り込んでいる銘柄が見出せる。しかも保有している現預金よりも時価総額が小さい事例が見出せる。セクターの事情もあろうが、こうした株は発行株を現預金で企業に買い取ってもらい上場廃止にしてもらうべきだろう。かつて基礎工事会社の三信建設が配当に不満を持っていた個人大株主と筆頭株主(日本国土開発)の保有株式売却で建機レンタル会社アクティオ社に買収されたが、既にこうした事例があるということは、今後もありうると考えられる。
『億の近道』(2019年3月4日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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