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ファーウェイはもう終わり。中国と本気で怒った米国との対立が世界にもたらす7つの厄災=鈴木傾城

いよいよ貿易の分野から戦いの火蓋が切られた

アメリカと中国がこれほどまで問題をこじらせたのは、中国共産党が自国企業と官民一体となって全世界の知的財産・意匠の窃盗を繰り返し、その窃盗した技術でアメリカ市場に乗り込んできたからでもある。

こうした「窃盗」は軍事の部分にも及んでおり、アメリカの兵器産業の機密情報や軍人の個人情報や軍事作戦まで情報窃盗して、明確な軍事的脅威になっている。

さらに中国は「一帯一路」戦略をも同時に押し進め、資源を持った途上国や、軍事拠点になり得る途上国に莫大な債務を貸し付けて、経済的植民地を手に入れながら、膨張主義に邁進している。

アメリカの歴代大統領は、こうした中国の傍若無人ぶりを見て見ぬ振りをしてやり過ごしてきたのだが、ドナルド・トランプ大統領になってから、アメリカは明確に中国を危険視するようになり、いよいよ貿易の分野から戦いの火蓋が切られたのである。

ファーウェイが無事でいられるはずがない

アメリカが本気なのは、ファーウェイ問題ひとつを取っても分かる。

今後、世の中は「5G」によって大きく変わっていくのだが、アメリカは信用できない中国ファーウェイを基幹システムに設置して欲しくないと考えて、全世界からファーウェイを締め出そうとしている。

それだけでなく、アメリカ国内でファーウェイの端末を使うことさえも禁止した。

ファーウェイは「そんなことをしても無駄だ。アメリカにも影響が出る」とアメリカを威嚇したが、その好戦的な姿勢を受けると、トランプ大統領はすぐさま「ファーウェイに対してアメリカ製品の輸出を事実上禁じる規制」を発令した。2019年5月15日のことだ。

ファーウェイが世界各国に置いてある支店や子会社を通してアメリカの製品を販売するのも禁止される。

これだけでもファーウェイにとっては致命的な問題なのだが、2019年5月20日にはグーグルがスマートフォンのOSアンドロイドの最新版やグーグルのサービスをファーウェイに提供するのを停止するという発表が行われた。

これによって、ファーウェイはアメリカの最新ハードとソフトウェアの両面から断絶させられることになる。

これだけ、叩きのめされてファーウェイが無事でいられるはずがない。

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