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景気悪化に日銀も打つ手なし。刺激策のはずのマイナス金利が経済を冷やしている=斎藤満

景気刺激策のはずのマイナス金利が景気を冷やす

本来、低金利で借り手の金利コストを下げ、投資を促すはずでしたが、銀行が貸出をしにくくなって却って金融機能が後退し、景気を圧迫する面も見られます。

年金や資産運用会社も運用ができず、年金財政を圧迫し、生命保険料の引き上げなどで国民生活を圧迫する面が出ています。マイナス金利が却って金融を収縮させ、景気を冷やす面があります。

また、国債価格の高騰で、日銀は大量のバブル国債を保有していることになり、今後金利が正常化、つまりプラス圏に上昇すると、日銀は膨大な国債の評価損を抱えることになります。

国債発行高の約半分を日銀が保有し、国債市場の流動性が低下し、市場機能が低下しています。金利低下をよいことに、政治的には財政拡張意欲を刺激し、財政規律が後退しています。

ドイツ銀行は経営危機に

ドイツの国債利回りは日本以上にマイナス幅が大きく、この異常な低金利がドイツの銀行収益を圧迫、ドイツ銀やコメルツ銀など大手銀行が経営危機に瀕しています。

また低金利で財政規律が緩み、イタリアは規律違反の罰金を払わず、むしろEUの規律緩和を求めています。

長期金利の低下は、国債などの資産価格高騰、バブルを生みだし、金融市場を不安定にしています。そこへ、金融政策の行き詰まり、閉そく感の強まりから、MMT(現代金融理論)のような極端な理論が登場し、節度を破壊し、さらに危機に瀕している財政依存を正当化する作用を持っています。

これがもたらす次の金融危機では、資産バブルが弾けて市場の混乱が大きくなるリスクを秘めていることになります。

Next: 利上げも利下げもできない、完全に行き詰まった日本の景気刺激策

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