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何をどう買って売れば儲かるの?チャートを使った基本的な株式トレードの考え方=山田健彦

銘柄分析はチャートから

次に「お気に入り」に登録した銘柄分析を行います。これは後から振り返ることが出来るように、出来れば手書きでノートを付けることをおすすめします。

投資の教科書には業績の伸びや財務の安定性、PERやPBRなどのファンダメンタルをまず確認して…と書いてありますが、外部の不透明要素が多々ある現状では、ファンダメンタルの良さ(悪さ)と株価動向は少なくとも現在は殆ど関係がありません。

ですので、まずはチャートを見ていきます。このチャートですが、チャートには見方があります。

まずは長い期間を一番先に確認します。10年(それ以上あれば更に良い)の月足チャートを見て、その銘柄の株価は「最安値圏」、「最高値圏」等どの辺に位置しているのか確認します。

次に2年の週足。ここではトレンドを確認します。

上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのか、上昇トレンドにはあるものの、上昇の勢いが弱くなりつつあるのか、下降トレンドから脱しつつあるのか、などを確認します。

最後に過去6ヶ月の日足チャート。ここでは移動平均線の向きを重視します。最低限5日移動平均線が上向きで株価はそれより上に位置しているかをチェックします。

これらを眺めて「最安値圏から上昇に移行しようとしているのか」とか「最高値圏で足踏みしているのか」など大まかな判断をします。

昨今の株価はトランプ大統領の発言で上へも下へも大きく動く気まぐれ状態なので、これらの判断に時間をかけても意味はありません。直感的な判断で十分です。

大まかな方針としては、月足10年のチャートで株価が高値圏にあるなら、短期決戦で深追いはしない。

10年来の安値圏にあるなら、週足で上昇トレンドに乗っているかどうかを確認して日足チャートを見ながら参戦。

不安定な相場状況なので株価の位置が高値圏、安値圏のどこであっても、5日移動平均線が上向きから横向きに転じたら、または株価が5日移動平均線を大きく下回ったら、一旦撤退。再度株価が上昇してきたら再び参戦という作戦を繰り返し、小まめに利益を確定していきます。

参戦後、予想通り株価が順調に上昇してきたら、チャート上で5日、25日移動平均線との乖離率を確認し、過去6ヶ月間に乖離率がどこまで広がると株価が下落基調に転じたかをチェック。その辺りまで乖離率が広がったら、より頻繁に同業他社の株価動向や市場全体の株価の流れを見て撤退準備に入ります。ただ、そのような状況でも好材料や好決算が発表されると、さらに株価は上昇することも多いので直ぐに撤退する必要はありません。

完全撤退か部分撤退かはその時の市場の状況により判断します。

現状ではテクニカル分析は必要ない

ここまで読んでこられて「ボリンジャーバンドとか一目均衡表等のテクニカルは使わないのか?」という疑問を持たれた人も多いと思います。

トランプ大統領の一言や、どうなるか分からない香港情勢、迷走するブレグジット問題等々の市場外部の雑音が多々ある現状では、テクニカル分析は当てにならないと筆者は考えます。株価の方向性と勢いにのみ着目するチャート分析だけで今は十分戦えます

要は、その時々のマーケットの状況に応じて見るべき指標、戦い方があるということです。

(注)上記は筆者がある程度の確信を持って実践している作戦ですが、これが絶対で他の方法は全て間違っている、というつもりはありません。事実、筆者はこの方法で損を出して撤退した事もあります。またこの作戦は市場の変化に応じて少しずつ修正していっています。読者の方々のご参考となれば幸いです。

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image by : FTiare / Shutterstock.com

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資産1億円への道』(2019年9月18日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時レポートしていきます。

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