ヤフーがZOZOを買収して連結子会社化するというニュースに衝撃を受けました。この買収が、個人的にとても戦略的で理に適っていると思われる理由を解説します。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年9月24日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
高確率で成功するTOB…実現したとき、ヤフーはどうするつもりなのか
Q. ヤフーのZOZO買収で本当に本当に欲しかったものは何か?
A. (たくさんありますが、一つ上げるとすれば)ZOZOの物流の仕組み。
先日衝撃的なニュースが飛び込んできました。ヤフーがZOZOを買収して連結子会社化するというニュースです。
個人的な直感ですが、これはとても戦略的に理に適った買収だと思います。具体的にはTOB(公開買付)という形で買収を行うわけですが、まずはTOBの詳細を見ていきましょう。
本TOBの概要
買収の大まかなストラクチャーとしては、ヤフーが公開買付でZOZOの株式の50.1%を約4,000億円で買収するというものです。
創業者である前澤氏が保有する37%の内、今回のTOBにおいては30.37%を売却して残りの約20%をマーケットから買い取るという形になっています。前澤氏が保有する残りの約6%に関しては、最終的には0%にする方向になっています。
TOBとしては、買付予定の下限株式数が約1億196万株、が約1億5,295万株となっていますが、最大分を買い付けた場合のヤフーの持分が50.1%になる計算です。
前澤氏が約9,272万株分を売却することに応じているので、このTOBが成立しないという可能性は非常に低いと言えるでしょう。
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