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eギフトを展開するギフティが新規上場、さらなる成長は商品の差別化がポイント

思考実験──片づけるべき用事とは

『ジョブ理論』によれば、以下の問いに答えることで用事をより具体化できるようになる、としています。

1.その人がなし遂げようとしている進歩は何か。求めている進歩の機能的、社会的、感情的側面はどのようなものか。

2.苦心している状況は何か。誰がいつどこで何をしているときか。

3.進歩をなし遂げるのを阻む障害物は何か。

4.不完全な解決策で我慢し、埋め合わせの行動をとっていないか。ジョブを完全には片づけてくれない商品やサービスに頼っていないか。複数の商品を継ぎはぎして一時しのぎの解決策をつくっていないか。

5.その人にとって、よりよい解決策をもたらす品質の定義は何か、また、その解決策のために引き換えにしてもいいと思うものは何か。

出典:『ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』(第2章 プロダクトではなく、プログレス)

用事の特定

イノベーションを起こすための最初のステップは、ある状況下で顧客がなし遂げようとしている進歩を特定することです。そして、その進歩には機能的、感情的、社会的側面があり、どれが重視されるかは文脈によって異なってきます。また、用事を特定することにより、真の競合相手もみえてきます。では、同社の場合はどうなるのでしょうか。

今回は、同社グループが課題としてあげる「多彩な収益機会の確保及び拡大について」を取り上げます。同社グループはそれを、次のように認識しています。

当社グループは、『giftee』サービスから始まり、『eGift System』サービス、『giftee for Business』サービス、『Welcome! STAMP』等のサービスを展開し、多彩な収益機会の確保及び拡大に努めてまいりました。今後も、各既存サービスの強化に加え、飲食店・小売店等の法人の顧客情報を一元管理し、効果的なマーケティングを行うための新たなシステムの開発や新たなプロモーションの提案に取り組む等、新規ビジネスの創出を図り、収益ポートフォリオの最適化を目指してまいります。

ここで着目したいのは、シスト(宝探し)。同社グループが展開しているeギフトを宝探しに使うのです。Enpediaによると、シスト(宝探し)とは次のようなものです。

2001年にマックス・バレンティン(Sur la trace de la chouette d’orの創設者)は、より多くの人に宝探しを楽しんでもらうために、インターネットサイトを開くことに決めた。そこでは、小さい箱をすべてに手に入れやすい場所に隠してあるから、自由に見つけて持っていっていいよと発表した。2002年、サイトがこのゲームを主な活動として、Cistes.netが開設された。2009年には、プレイヤーは10万人に達した。

したがって、eギフトを贈る側は宝を隠す側になり、eギフトを贈られる側は見つける側になります。こういった状況で顧客──宝を隠す側と見つける側──がなし遂げようとする進歩の機能的側面は「宝探しをする」ということ。感情的側面として「娯楽」「魅力」、社会的側面として「つながりの提供」を重視するでしょう。

なお、同社グループは競合を次のように認識しています。

当社グループは、既に構築しているeギフトプラットフォームの先行者優位性を活かしてサービス提供を行っていく方針です。しかしながら、新規参入等により競争が激化し、当社グループが競争力や優位性を保つことが難しくなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

Next: ギフティがこれから意識していくべきは、ほかではできない体験!

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