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震え上がる金正恩、ソレイマニ司令官殺害でわかった米国「北朝鮮つぶし」の本気度=江守哲

往生際の悪い金正恩

一方、非核化交渉に関しては、「北朝鮮が提示した要求を米国が受け入れる条件でのみ対話が可能だ」と繰り返し主張しています。

また、「両首脳の関係が悪くないのは事実」としつつも、「金委員長は国家の利益を代弁する者として、私的な感情を基に国事を論じない」と強調しています。

弱者の強がりがここでも見ることができます。

北朝鮮政府は21日、「米国が米朝非核化協議の期限を無視した」とし、「核実験や大陸間弾道ミサイルの発射を中止する約束に縛られる必要はない」として、「新たな道」を模索する可能性も明言しています。これもまた強がりです。

金委員長は米国との非核化協議の期限を19年末に設定していましたが、これも北朝鮮側の焦りといえます。

オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は先に、「協議再開を打診した」とし、金委員長がトランプ大統領との首脳会談での非核化に関する約束を守ることを望んでいるとしています。

一方、ウッド軍縮大使は北朝鮮のこの発言に懸念を表明し、「トランプ大統領と金委員長が18年に至った合意から離れることを示唆しているわけではないことを望む」とし、米国は北朝鮮の協議復帰を求めているとしています。

このように、米国の立場は明確です。北朝鮮が勝手にブラフを仕掛けて、交渉を有利にしようとしているだけです。

結論が決まっているのですから、北朝鮮はまさに往生際が悪いということになります。

非核化も軍縮も進展は見られない

それでもなお、北朝鮮の関係者は自己主張を続けています。

国連ジュネーブ駐在の北朝鮮外交官の朱勇哲氏は、「北朝鮮がここ2年間にわたり米国との信頼関係を築くため、核実験と大陸間弾道ミサイルの発射を停止してきたが、米国は米韓合同演習や対北朝鮮制裁で応じている」と主張しています。

さらに朱氏は、国連の軍縮会議で「米国は、北朝鮮の発展を阻止し北朝鮮の政治体制を破壊する野心を変えないことが分かった。先方が守らない約束をこちらが一方的に守らないといけない理由はない」とし、「米国が最も残忍で冷酷な制裁を科している」と非難して、「米国がこのような敵対的政策を続けるのであれば、朝鮮半島における非核化は実現しない」と主張しています。

北朝鮮は昨年12月に、「米国が交渉の態度を改めない限り、新たな道を模索する可能性がある」と表明していましたが、その「新たな道」の詳細は明らかにしていません。米国の軍関係者は、北朝鮮が17年から停止していた長距離ミサイルの発射の再開や核弾頭実験を可能性として挙げています。

北朝鮮は一方的な軍縮には反対しています。世界的な非核化は支持する姿勢を示しているものの、それ以上の意欲があるかどうかは明確にしていません。

Next: 交渉は米大統領選直前までおあずけ? 金正恩のイライラは続く…

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