日本M&Aセンターやエムスリー株はバブルではないかと指摘する、日経新聞の記事があった。しかし、成長株をPERだけで割高だと判断するのは早計だ。(『証券アナリスト武田甲州の株式講座プライム』)
※本記事は有料メルマガ『週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』2020年1月26日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
成長株あってこそ、の株式市場だと捉える必要がある
日本M&Aセンターやエムスリー株は本当にバブルなのか…
1月24日付の日本経済新聞には成長株を揶揄するような記事が掲載されました。
※参考:高株価でも売れない 成長株にバブルの懸念‐日本経済新聞(2020年1月23日公開)
それによれば日本M&Aセンターやエムスリー株はバブルなのではないかということですが、表には予想PERしか掲載されてなく、なぜ売上高の伸び率やROEが掲載されていないのかおかしな話もあるものだと思いました。
そしてこのような間の抜けたレポートを「注目レポート」として紹介するとは、日経ともあろうものがずいぶん落ちたものだと、いう感想です。
株式市場は成長株をけなす場ではなく、成長株を称賛する場です。いま米国株は史上最高値水準にあります。もちろんそれをバブルではないかと指摘するのは簡単ですが、アマゾンやアップルなどGAFAといわれる巨大IT企業への賛辞は株価や時価総額として表れています。
そしていまEVメーカーであるテスラが時価総額1,000億ドル台に乗ってきました。まだ販売台数が年50万台もない中小自動車メーカーですが、世界販売1,000万台強のフォルクスワーゲンを上回って自動車業界第2位の時価総額となり、今後短期間にさらに2倍になるかもしれない勢いです。
アップルはこの1年で株価が2倍になって時価総額は100兆円を超えてきていますが、それが割高なのか?といわれるとそうではないというしかありません。
株式市場は成長株を伸ばす場です。表の中で紹介されていたエムスリー株について一言書いておきます。エムスリーのPERが高いのは、2004年のマザーズ上場以降2桁の利益成長を続け、ROEも20%台という高収益企業だからです。いまでは日経平均株価の採用銘柄となっています。
また景気変動と関係なく成長が続く医療周辺ビジネスを世界展開しているからです。世界人口は毎日20万に増加しており、医療を必要とする人は増えるばかりです。
中国ではこれから高齢化が日本以上のスピードで進行しますが、医療関連市場もこれから急拡大です。そんな中国でエムスリーは400万の医師のうち300万人近くを会員としてネットワーク化。いまエムスリーの海外事業のなかで米国と中国が急激に伸び始めています。
株価はそれをやっと評価し始めたところです。これから5年後10年後のエムスリーのことを考えれば、バブルかもしれないなどという評価はありえません。
※有料メルマガ『週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム』好評配信中!ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
image by : Evgenyrychko / Shutterstock.com
『証券アナリスト武田甲州の株式講座プライム』(2020年1月26日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
週刊 証券アナリスト武田甲州の株式講座プレミアム
[月額550円(税込) 毎週月曜日]
証券アナリスト武田甲州が、経済やマーケットの先読み・裏読み情報を毎週月曜日に発行。2008年3月のセミナーでは米国で最大300兆円の公的資金投入を予想。2008年9月末時点で米国のゼロ金利、量的緩和政策実施を予測するなど大胆な未来予測情報もあります。