安倍政権にもリスク
これはトランプ大統領の傘の下で庇護されてきた安倍政権にも大きなリスクとなります。トランプ大統領の権勢が弱まれば、そのまま安倍政権の基盤が揺らぎます。
それだけではありません。安倍政権にとって今年の重大イベントと掲げる「2つの問題」に影響が及ぶ可能性があります。
<問題その1:習近平の来日が消える?>
1つは、4月に予定している習近平国家主席の国賓来日が危ぶまれることです。
中国内での感染の実態、犠牲者の数ははっきりしませんが、民間世論の間に政府の対応が遅すぎるとの不満が出ているのみならず、地方政府のトップまでもがあからさまに政府の責任を問う発言をしています。
ネット上なら即刻削除の政府批判です。
一部の試算のように、武漢だけでも感染者が25万人も出たり、死者の数の桁が増えるようなら、あるいは日本での感染が広がり、日本人にも感染者、死者が出るようなら、習主席は4月に国賓来日するどころではなくなります。
これは安倍政権には大きな打撃となります。
<問題その2:東京五輪がなくなる?>
さらに日本で感染が拡大し、夏場になってもそれが収まらないようなら、東京オリンピック・パラリンピックの開催も危ぶまれます。
政府は28日、閣議で今回の新型コロナウイルスを感染症法上の「指定感染症等」に指定し、公費で強制的に隔離治療することとしました。
WHOが指定する前に日本政府が動くのは異例のことで、それだけ強い危機感の表れとも言えます。
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『マンさんの経済あらかると』(2020年1月29日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。