ウイルスとの同居を選んだスウェーデン
世界のほとんどの国が採用しているコロナウイルス対策は、一気にウイルスを叩き潰すことを念頭に置いたもので、それができなければ国民も政府も疲弊する。
いくつかの国はこれは戦争だとして、ウイルスに宣戦布告したが、戦いが数カ月、数年と長引くと消耗戦となり、仮にコロナウイルスに勝利したとしても、人類の犠牲も多大なものとなる。
そして、そこに別のウイルスでも来たものなら、人類に打つ手は何もない。ウイルスの猛威が自然に収まるのを待つのみなのだ。
一方、スウェーデンは同じ生物であるウイルスとの同居を選んだ。
戦いには違いないので、双方の犠牲は避けられないが、通常の社会生活、経済活動を行っているので、犠牲を最小限に抑えることができている。
また、常に余力を残しているので、次のウイルス、その次のウイルスの来襲にも同じ方式で立ち向かうことができる。ウイルスと折り合いをつけるという生き方だ。
その意味で、スウェーデン方式が成功するかどうかは、今後の人類の運命を左右するほどの価値があるものだ。
逆に、もしスウェーデンのような考え方の国がなかったらと思うと、ゾッとする。これだけが正しいと信じ、多様性を失うことは危険極まりないことなのだ。
日本の緊急事態宣言は奏功するか?
日本も3月時点から学校閉鎖などせずに、スウェーデンのようにできたのかも知れない。
ちなみに上記4カ国より人口の多い東京都は人口1,395万人で、4月6日時点の感染者数は1,116人だった。日本全土でも3,986人だ(編注:原稿執筆時点4月7日。なお4月8日23時時点の東京の感染者数は1,338人、日本全土では4,873人と増加ペースが上がっています)。
とはいえ、新型コロナウイルス「Covid-19」は当初思われていたよりはるかに悪質で、危険なものだと分かった。冒頭で触れたように、医療崩壊を防ぐためには非常事態宣言はやむを得ないのだろう。
事業規模108兆円の経済対策は、名目GDPが約570兆円であることを鑑みれば、相当に大きい。財政支出も40兆円近く、総税収の6割を優に超える。
これが本格的なロックダウンだと、止まった経済活動の穴埋めだけに消えるが、それなりに経済活動が続けられると、先につながる投資になる。
今後もウイルスとの戦いが続くであろうことを思うと、そうであって欲しい。
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※本記事は、矢口新氏のメルマガ『相場はあなたの夢をかなえる ?有料版?』2020年4月7日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。信済みバックナンバーもすぐ読めます。
『相場はあなたの夢をかなえる ー有料版ー』(2020年4月7日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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