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天才投資家ジム・ロジャーズが警告「少子化と巨額債務から目を背ける日本は沈む」=花輪陽子

春節前と3月中旬の2度、世界三大投資家のひとりのジム・ロジャーズ氏にインタビューを行い、『ジム・ロジャーズ 大予測:激変する世界の見方』(著:ジム・ロジャーズ/翻訳:花輪陽子, アレックス・南レッドヘッド/刊:東洋経済新報社)を出版しました。コロナ危機により変わり果てた世界経済を天才投資家はどのように見ているのか。今回は日本へのメッセージをお伝えしましょう。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)

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プロフィール:花輪陽子(はなわ ようこ)
外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。

膨大な債務と少子化が日本を滅ぼす

天才投資家ジム・ロジャーズは日本に対して、こう発言しています。

「1968年に世界第2位の経済大国となった日本は、50年以上の長きにわたって繁栄してきた。先の対戦、いやその前から大変な問題を何度も乗り越えてきた。しかし、現在、直面している重大な問題に対して、目を背けすぎだ。日本の借金は日々膨れ上がっている一方で、人口は減り続けている。出生数も大きく減少していて、数年先はともかく20〜30年後には大変な状況になる。人口推計はあらゆる将来予測の中で、もっとも精度が高い予測と言える」。

政府は事業規模117兆円の緊急経済対策を閣議決定しましたが、諸外国と比べると、その対応の遅さが目立ちました。日本はすでに巨額な債務を抱えており、財政的な事情も大きかったと推測されます。

また、先進国の中で「eラーニング」が進んでいないのは日本くらいです。アメリカやシンガポールなどでは公立校でもすでにeラーニングが導入されています。

新型コロナウイルスの対策を早期から大規模に行ってきている香港やシンガポールなどは、平時に財政黒字なので有事にはそれまでの貯めてきた財源を速やかに使うことができました。

自粛トレンドは1年・2年と続く可能性もあり、債務が少なく、資産が多いほうが当然有利です。国民にさらなる自粛を要請するには追加の経済対策を考える必要性も出てくるでしょうが、これ以上債務を増やし続けると日本国債の格付けにも影響を与える可能性もあります。

また、デフォルトを起こす企業が増えれば、金融危機のリスクも上昇します。

image by:原隆夫

image by:原隆夫

「日本には恐ろしい未来が待っている」

「日本の将来を考えた時、ものすごい勢いで子供を増やすか、移民を受け入れるか、とんでもないスピードで借金を減らすかしない限り、日本が長期停滞から脱する見通しは絶望的だ。若者が減って、高齢者が増える。社会保障のサービス水準が変わらないとすると、数少ない若者に重税を課さない限り借金は増え続ける。誰にでもできる未来予測だ」。

ロジャーズ氏は続けます。

「このままいけば、日本には恐ろしい未来が待っている。すぐに消滅することはないが、外資に買われまくるといった形で、実質的に国家が維持できなくなる可能性もゼロとは言えないだろう」

冒険投資家として知られるロジャーズ氏は数多くの国を旅し、日本より素晴らしい国はないと言います。また、富士山も登ったことがあり、再び日本に行くことを心待ちにしているようです。

「だが、国家の盛衰は必ず起こり、転落し始めると一気に衰退することを歴史は教えてくれる。あなたが1919年にイギリスを訪れたならば、こんな素晴らしい国は他にはないと言っていただろう。その頃のイギリスは世界ナンバーワンの国で、金融、ものづくり、文化の面でも世界をリードする国だった。いまでもイギリスは良い国には変わりない。しかし、イギリス人の暮らしは1919年から低迷し続けていて、1976年にはIMFに助けられるところまで没落してしまった。イギリスも日本と同じように“変化”を嫌ったからだ」。

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