迷惑系で「迷惑をかけない」技術が必要
そこで「条件付き」というわけですが、それは以下ではないかと考えます。
<条件その1:法律は遵守する>
冒頭のへずまりゅうは愛知県内のスーパーマーケット店内で会計前の魚の切り身を食べたことから窃盗容疑で逮捕されました。
法治国家の日本で法を犯すことをすれば即アウトで何をやっても無意味ですから、法律をよく勉強し、法の範囲内でやることです。
「ちょっと雨宿り」で他人の敷地に入っても不法侵入を問われることもあるし、昨今ニュースになっている「コロナで帰省してくるな」という張り紙も、不法行為や軽犯罪に触れますから、損賠賠償請求や処罰の対象になる可能性あります。
実際、過去にも、じゃがりこにつまようじを入れたり、万引きする動画を投稿していた19歳の少年が偽計業務妨害罪で逮捕。
ヤマト運輸の営業所でチェーンソーを使って従業員を脅す動画を投稿した男が、暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕。
覚せい剤に見せかけた白い粉末入りのビニール袋を交番前に落として警察官に追跡させる動画を投稿した男が、やはり偽計業務妨害罪で逮捕。
最近も、渋谷のスクランブル交差点にベッドを置いて寝る動画を投稿した男が、道路交通法違反で罰金が課されています。
アカウントが凍結されるだけならともかく、家族親族や職場・学校にも迷惑をかけますから、法に触れる行為はそもそも話になりません。
<条件その2:黒歴史にならないよう、最低限の公序良俗を守る>
ヘタに反響があると感覚がマヒしてきて、「目立てば何をやってもいい」という壮大なカン違いを起こしてしまいます。
以前も「バカッター事件」が世間を騒がせたように、マナーやモラルを大きく逸脱した行為を投稿すれば、住所氏名に所属先を特定されて顔写真も晒され、進学や就職にも悪影響が出てしまいます。また、前述と同様に関係者に迷惑をかけることになるので、これも避けなければなりません。
これはもう感性や良識といった問題です。ネット上に永遠に残る「黒歴史」としないためにも、「ウケるかどうか」の前に、「一生残っても胸を張れるかどうか」を納得したうえで投稿したいものです。
<条件その3:誰かに絡む場合は了解を得て、相手にもメリットを提供する>
へずまりゅうだけでなく、有名人を攻撃して注目を集めようとする人もいるようです。
しかし、相手の迷惑を顧みず自分の売名のためだけにやれば、やはり名誉棄損やら肖像権侵害、著作権侵害などで訴えられるリスクがあります。
コラボが成功するには、たとえば相手の動画やブログ・著書などの宣伝もしてあげるなど、コラボ相手にもメリットが出るよう配慮することです。
でなければ、悪いウワサが広がり、誰も相手にしてくれなくなるリスクがあります。
<条件その4:いのちを大事に、危険行為は避ける>
身体を張った動画は、コンテンツがない人にとっては手っ取り早い方法です。その中でも、特に危険な行為は確かに注目を集めやすいですが、死んでしまったら終わりです。
過去にも、ビルから落下したり山で滑落したりして命を落としたYouTuberがいましたし、野生動物と格闘しようとして殺害されたとか、ナメクジを食べたら寄生虫に脳が侵されて何年も植物状態になったのちに死亡といった話もありました。
しかし、これでは「何のために有名になりたかったのか?」ということになります。命と健康があってこその表現活動だということを、肝に銘じたいものです。