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菅政権お前もか。「消費税アップは日本を壊し税収を減らす」不都合な事実=矢口新

消費税で景気が悪化すれば、社会保障費が増えていく

財務省のホームページには「日本の財政を考える」という項目があり、「財政関係パンフレット・教材」が掲載されている。そのPDF資料をもとにして話を進める。
※参照:日本の財政関係資料(令和2年7月)

経済規模や成長率については、内閣府の年次GDP成長率、実質時系列データ(CSV形式:5KB)、名目時系列データ(CSV形式:5KB)を必要に応じて参照していただきたい。
※参照:国民経済計算(GDP統計)
※参照資料:第1部我が国財政について(全16ページ)

1ページ目に令和2年度一般会計予算の「歳出内訳」が出ている。ここでの当初予算の「社会保障」費は35.8兆円となっている。これが第2次補正後予算では40.5兆円となる。

ここでは、コロナ禍により景気が悪化すれば、社会保障費が増えることを示唆している。このことは、消費増税で景気が悪化しても、社会保障費が増えることを暗示している。つまり、社会保障制度の財源としての消費税は、逃げ水のようにいつまでたっても「不足」することになる。

足りない分は借金で補う

2ページ目は補正予算によって増える歳出57.6兆円は、公債(国債)発行による借金で賄うということを示している。

3ページ目は一般会計における歳出・歳入の状況で、赤の折れ線グラフの歳出と、青の折れ線グラフの税収との差額が財政赤字と分かるようになっている。その赤字を棒グラフに見られる国債発行により埋め合わせている。つまり、借金を積み上げている。

ここで注目していただきたいのが、消費税を導入した翌年の1990年度の税収60.1兆円だ。次の注目点は消費税率を3%から5%に引き上げた1997年度の税収53.9兆円だ。

この間の名目GDPは420.4兆円から533.4兆円に増加(前年度比伸び率は8.5%増から0.9%増に減速)したが、税収は1割以上減少した。これで消費税が社会保障制度の財源となるのが事実ならば、他の歳出を急減させることがセットである必要があるが、そうではないために財政赤字は急増する。

もっと深刻なのは、1997年度の名目GDP533.4兆円が、2016年度に計算基準の見直しで30兆円を上乗せして536.9兆円となるまでのピークとなったことだ。つまり、消費税導入後にピークをつけた税収は景気減速を受けて減少し始め、5%に引き上げ後はついにマイナス成長に至り、税収も減り続けたことになる。

もっとも、名目GDPも総税収も2009年を底に増え始めるが、これは資金供給量を1997度時点の11.2倍としたことが大きい。現状の資金供給量は名目GDPよりも大きいので、カネで買った成長と言えるかも知れない。しかし、ここでも景気と税収の正の相関関係が示されている。

右から2番目の2019年度の税収60.2兆円は58.4兆円になったと報道され、2020年度は63.5兆円どころか、2019年度を下回る可能性が高い。ここでも2019年度は消費増税、2020年度はコロナ禍による景気後退が税収減につながっている。

Next: 消費増税による景気悪化で、むしろ税収減に

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