レガシーという名の下の「負債」
この神宮外苑再開発のほかにも、東京五輪大会関連施設の新設・増設・改修などに多額のお金をかけて、大会後も「レガシー」と称して恒久利用するとしています。
しかし、そのメンテナンス費用など維持費は、これからずっと、国民・都民が負担していくのです。
オリンピックスタジアムはもちろんですが、オリンピックアクアティックセンター、海の森水上競技場、葛西臨海公園、武蔵森総合スポーツ施設、さらには選手村に至るまでの12施設が「恒久利用」される施設となるようです。
これらすべて「レガシー」という名の下の、重たい「負債」にならなければよいのですが…。
招致や運営に関わる東京五輪関係者は、これら遺産には、今後はまったく触れることなく、これからの日本国民や東京都民の「負担」になることを、それも含めて「東京オリンピック・パラリンピック2020」であることを、どれだけの国民は理解しているのでしょうか。
次世代の若者は、社会保障だけでなく、コロナ禍に行われた大イベントの「負の遺産」も背負わされるのです。いや、今の大人たちが、若者たちに背負わせるのです。
なんかだんだん入ってはいけない世界に入っていったような、開けてはいけない扉を開けたような気分になってきました。
新秩父宮ラグビー場は2022年に着工し、2024年に第一期の工事を完了する計画を変更して、2023~2026年に工期を改めました。新球場(神宮球場)は、2027年に工事を始め、約4年で終了するそうです。
東京オリンピックは、閉会式を迎えて大会自体は終わりましたが、実は国立競技場解体に始まった「東京五輪“便乗”プロジェクト」は、まだまだ終わっていない。というか、大会が終わったこれからが“本番”なのです。
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※本記事は、らぽーる・マガジン 2021年8月9日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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『らぽーる・マガジン』(2021年8月9日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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