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戦争の裏でひっそり警察法改正へ。「サイバー捜査隊」新設で国民監視社会へ突入か=原彰宏

反対派の主張「国民監視国家がつくられようとしている」

直近で成立した共謀罪や秘密保護法に加え、重要土地規制法や通信傍受法という、警察と官邸の関係を強化するような法案が可決されている“さなか”でのことです。

重要土地規制法は、自衛隊の基地など日本の安全保障上、重要な地域での土地利用を規制する法律のことで、施設の周囲およそ1キロメートル内や国境近くの離島を「注視区域」に定め、区域内で大きな構造物を立てて電波を妨害したりライフラインを寸断したりといった日本の安保を脅かす土地利用を確認すれば、所有者に中止を勧告・命令できるものです。

つまり、重要区域内の住民のプライバシーなど個人情報を含め、調査する権限を監視側に与えるというものです。

自衛隊基地や原子力発電所の周辺、国境離島などの土地の利用を規制する法(土地規制法)というものです。

通信傍受法は、名前からも想像できる通り、一定の組織的な犯罪を対象として、これら犯罪の実行に関連して行われる電話やメールなど、その伝送路に有線や交換設備を経由する電気通信の傍受を認めた法律です。

ここまで我が国は、監視する側の権限強化促進の法律が、相次いで作られてきたと言えます。

その延長線上に、今回の警察庁法改定があるという問題提議です。

土地規制法(住民監視法)の重要施設機能・国境離島機能を阻害する恐れのある人物を特定するための調査は、こうしたサイバー空間でのコミュニケーションが含まれると考えられます。

土地規制法と改定警察庁法という2つの法律が連動して、国民監視国家が作られようとしていると言わざるを得ないというのが反対派の主張です。

戦後初めて「警察庁が」逮捕・捜査する権限を持つ

東京新聞社説に戻って警察庁法改正の内容を見てみますと、改正案では、サイバー警察局がサイバー事案に関する業務全体を担当し、警察庁関東管区警察局にサイバー特捜隊を設置し、全国を管轄して「重大なサイバー事案」を捜査します。

重大サイバー事案は、国や重要インフラに重大な支障が生じる高度な技術を用いる海外からの不正な活動に関与するものと規定しています。

特捜隊は逮捕や捜索もします。繰り返しますが、「警察庁が」逮捕、捜査の権限を、戦後初めて持つことになるのです。

一方で、国境を越えたサイバー犯罪は増え続けているのも事実。東京新聞では、徳島県の公立病院が、システムのデータを暗号化するランサムウェアの攻撃を受けて、電子カルテが閲覧できなくなった事件を取り上げ、国際的なハッカー集団が金銭を要求する脅迫文を送り付けた「サイバー身代金事件」を例に挙げています。

前述の記事にある「欧米では捜査の国際協力が進んでいるが、日本では都道府県警が捜査主体のため、国際的な情報交換などに手間取ることがある…」という点も、自治体警察だからということもあるのでしょうが、他の業界でも見られる「縄張り意識」に弊害があるとは言えないでしょうかね。

Next: 警察法改正後も私たちが“監視”する必要

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