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戦争の裏でひっそり警察法改正へ。「サイバー捜査隊」新設で国民監視社会へ突入か=原彰宏

公安警察と公安委員会との違い

“国家公安”と名がつくので、テレビでもおなじみの反体制的運動や組織を取り締まる公安警察と思われるでしょうが、この国家公安委員会は、国務大臣が委員長に充てられる大臣委員会で、あくまでも「警察の政治的中立性の確保」と「治安に対する内閣の行政責任の明確化」を目的とした組織です。

運転免許証の写真の下に書かれている「○○県公安委員会」がこれです。つまりは、公安警察とは別なのです。

公安警察は、テレビでも馴染みの広域組織犯罪などを手掛けるもので、警察庁、警視庁、検察庁それぞれに置かれています。

それぞれの組織の力関係には優劣があるようですね。アニメ「名探偵コナン」にも公安警察は登場してきますね。あれが公安警察で、警察組織を管理する公安委員会と公安警察は“別物”です。

話を戻しますが、都道府県警察は、都道府県の公安委員会(くどいようですが公安警察とは違います)が管理することになっています。

公安委員会は、トップだけが政治家で、後は全員民間人が選ばれるようになっています。つまり、「民間人が警察を管理する」ことになっているのです。

政治が直接警察を動かすことを、逆に警察組織が直接政治に関与することを避けるために、国家警察ではなく自治体警察にして、その自治体警察を民間人が管理する体制を作ったのです。

青木氏いわく、「実際には、民間人と言えども警察が管理しているのが現状だ」とのことです。

今回の警察法改正では、サイバー案件に限るとは言え、自治体警察ではない国家警察である「警察庁」が直接捜査できるようにするという、まさに戦後警察システムの一大転換になるということです。

そういう背景がある法案が、国会でスピード審議で可決されたことに、反対派は違和感を感じているようです。

サイバー犯罪に限定しても疑念が残る

たしかにサイバー犯罪は、都道府県をまたがる広域で対応しなければならないもので、自治体警察よりも国家ぐるみで対応しなければならないということは理解できます。

それゆえ、今回の法律改正は「サイバー」に特化したことに限るとしていますが、自治体警察の連携強化などの工夫で、あくまでも戦前の反省から、国家警察に捜査権を持たせるという選択以外はなかったのか。また、そのような議論はなされたのかという疑問は残ります。

この警察庁のある意味暴走を止める民間のチェク機能を、同時並行で議論されることはなかったのかという指摘もあるようです。

Next: 反対派の主張「国民監視国家がつくられようとしている」

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