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また利権か。岸田政権が原発再稼働に方針転換したワケ。日本の持病「電力不足」は完治するのか?=原彰宏

再稼働ではなく新設・増設?

「原子力ムラ」という表現があります。ネットでの解説には「原発を推進することで互いに利益を得てきた政治家と企業、研究者の集団」というのがあります。

利権……原子力ムラを語るうえで何度も見え隠れしてくるワードですね。このことについては、1つの章を立てて検証したいところです。きっと「なぜ原子力発電でなければならないのか」の答えが見えて来きます。

今回の連載で「電力問題検証に関する提議」としていくつかの問いを投げかけ、今後それら1つ1つを紐解いていくことで、電力問題の本質を探っていきたいと思います。

問1. 原発再稼働の必要性の根拠となる「電力需給逼迫注意報」は本当か?
問2. 東日本大震災原発事故から日本は「脱原発」に対して何をしてきたのか、何をしてこなかったのか?
問3. 日本では再生可能エネルギーが普及しない理由は何なのか~技術力(日本メーカーの衰退)
問4. 日本では再生可能エネルギーが普及しない理由は何なのか~送電網
問5. 電力価格高騰は電力自由化の弊害?
問6. ベースロード電源の考え方、これでいいの…?

これらの「短期的視野」の疑問を解決して、原発再稼働の是非をもう1度問い直して、その先にある「長期的視野」につなげたいと考えています。

今回はかなり長丁場の連載となりそうです。「長期的視野」の中心は、やはり「カーボンニュートラル」になります。

菅総理が2020年10月の臨時国会で「2050年カーボンニュートラル宣言」を宣言したことにより、日本での「脱炭素」の設備投資を含めた取り組みが見直されるようになってきました。

政治的な視点でも「脱炭素」から地球温暖化論争を捉え、さらに岸田政権の「新しい資本主義」にもある「GX(グリーントランスフォーメーション)」にも触れていきます。

当メルマガ 当メルマガ で連載しますので、ぜひ読み続けてください。おそらく一般情報では触れない、電力の「タブー」に深く突っ込んでいけるのではと思っています。

政治家が電力問題を取り上げると、特に原子力の闇に手を突っ込むと、政治生命が危ないと言われていますからね。それだけ闇は深いようです。

次世代型原発は電力不足を救うか?

報道記事から読み解くと、「次世代型原発」とは「現在の原子炉よりも安全性が高く、効率よく発電できる」原発のようです。

随分“ざっくり”とした解説ですが、既存の軽水炉型の原発をベースに安全性を高めた革新軽水炉など大きく5種類あるようで、革新軽水炉は他の方式に比べて最も開発が進んでいるそうです。

<革新軽水炉>

デジタル技術で安心性を高めたもの

<小型モジュール炉>

出力30kw以下のもので、設備の大半を工場で生産し、工期や建設費を削減

<高温ガス炉>

炉内温度が高くエネルギー小売tが高く、水素も取り出せる

<高速炉>

高速中性子による高効率で核燃料を燃やし、核のゴミも少ない

<核融合炉>

水資源が核融合する際のエネルギーを活用する。安全性が高い。

これだけでは、ちょっと分かりづらいですね。とにかく、デジタル技術で事故の兆候をつかみ、重大な事故を防ぐことができ、三菱重工業などが開発を進めているもののようです。

Next: 議論は十分か?ようやく動き動き出した日本のエネルギー政策

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