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ワタミ黒字化の影で泣く飲食事業者の暗い現実。人件費・光熱費・不動産テナント料の急上昇で瀕死企業が続出=井戸実

濡れ手に粟の最狂家主たち

自分の経験上、今までで一番恐ろしかったのが、居酒屋の居抜きで入居した物件で、賃貸借契約書には、退去の際に「原状回復」という文言があったのだけれども、「原状」がどの状態か契約書には示されておらず、家主の主張では「事務所仕様」が現状だと言われ、揉めに揉めた結果、居酒屋の内装を全部壊して、その後、事務所が入居できる内装を作らされたというのが最狂です。

東横線沿線あたりにそういう最狂家主がいるので気をつけましょう。

この20年の間で、特にココ数年、不動産業界の商慣行がなんか酷くテナント不利になって来てるんですよね。

20年前に仲介手数料にプラス企画料を払えとか、山っ気のあるブローカーみたいな奴って嫌わてたのに、今では、そこらの普通の仲介業者が当たり前に請求して来るんです。

たとえば渋谷のセンター街の入り口の角地の物件が出ます!!!

となったら、多くの企業が出店したいから、通常の賃料の一ヶ月分以上の手数料(企画料)をチラつかせて交渉するなんてことが起きても、それは仕方ありません。当時でいうと光通信の携帯販売店であるHITSHOPの店舗開発が、こうした悪い悪習を作り、全国の一等地のテナント物件の企画料が高騰しました。

でも、最近では、たとえば駒込の駅前徒歩2分。某牛丼チェーン居抜き。家賃坪4万円、敷金10か月、償却2ヶ月、礼金2ヶ月、企画料2ヶ月、そして一番腹立たしいのが、保証会社必須とか。もっというと定借3年とか。

もうどうなってんのーーー???????????
って話です。ちょっと大袈裟ですけど、

でも、ここまで酷くはないけれど、こんなクソ物件を借りちゃう奴が実際いるので、成立しちゃってるわけなんです。

ここらでこの流れを止めないと、ゴロツキ不動産屋ばかりが儲かって、実際のプレイヤーの我々が、ただ搾取されるだけになってしまいます。保証会社なんて頼りにならないのは、17年前にリプラスが吹っ飛んで経験しているじゃないですか。

それでもまた筍みたいにニョキニョキと、濡れ手に粟ビジネスを展開する保証会社が乱立して来てる訳ですが、いい加減に法規制が必要ですよね。

テナントも悪いんですよ。そんな悪条件の物件にホイホイと手を挙げるから、こんな目に遭ってし合うわけで。

まぁ保証会社必須なんていうのも、実際には東京の都心部だけで、郊外や地方に行けば、まだそんなアホな状況にはなってはいないのですが。

光熱費・労務コストは1.5倍以上。賃料が払えぬ現実

都心部のマンション価格は、まだまだ高騰しております。オフィス賃料も高騰しています。
しかし事業用(店舗)の賃料が高騰化したところで、テナントが付いて来れる理由がわかりません。光熱費や労務コストが20年前が100だとすると、感覚値で、現状160から170くらいのイメージです。1.5倍じゃ効かないよってほど、光熱費も人件費も上昇しております。

そんな状況で上がる賃料原資を、どこで賄えるのかという話です。

それと最近深刻なのが、定借を求める家主が増えて来たことです。今まで定期借家契約を求める物件と言えば、商業施設だったり、老朽化したビルや戸建ての物件などで、数年後に建替えなどを検討している大家だったのですが、最近では建替えの予定も何もない物件なのに、定期借家契約を求めて来ます。

周知の通り、定期借家契約は貸主が強く、契約年数が満了になれば、家主の意向のみで再契約が不可能となります。追い出しが簡単ということですね。

どんだけ良い物件だったとしても、定借だけは借りてはなりません。家主側の悪意で、いくらでも悪さをされてしまうからです。

知人の女性経営者が、渋谷で凄いいい店を数年前に開業しました。その物件を借りる経緯は、ビルオーナーが独立前のお店の常連で「独立するなら私のビルでどうですか?」と声を掛けてくれたからだったそうです。

そこまではいい話だったのですが、なぜか、普通賃貸借契約じゃなく、定期借家契約を結んだそうなのです。お店は無事に開業し繁盛店となり4年目を迎えたところで、そのビルオーナーが、ビルを売却したそうなのです。

そして新たなビルオーナーがビルの建て替えをしたいとのことで「定借の更新はできません」と通知を送って来たそうなのです。泣く泣く移転先の物件を探しているという話を聞きましたが、不幸な話です。無知が招いた不幸ではあるのですが、こうなる人を増やさないように声高に訴え、悪徳貸しビル事業者や、ゴロツキブローカーから身を守ってまいりましょう。

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Image by:Takamex / Shutterstock.com
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<ロードサイドのハイエナ> 井戸実のブラックメルマガ』(2023年5月24日号)より一部抜粋
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2010年度外食企業売上高伸長率で日本一となった株式会社エムグラントフードサービスの創業者オーナーです。2011年9月で会社設立から丸5年を迎えます。たった5年で総店舗数260店舗以上。売上高で165億円の社を作った軌跡の一部をメルマガにてお伝えします!

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