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快活クラブ「ドリンクバー有料化」の噂に動揺広がるネット上。店舗数“頭打ち”で既存店の底上げを図るなか決して噂で終わらない可能性も?

インターネットカフェ「快活CLUB」で、これまで無料で提供していたドリンクバーのサービスが、今後有料化されるようだといった真偽不明の話がネット上で広まり、大きな反響を呼んでいるようだ。

「快活CLUB」の某店に掲示されていたという張り紙によれば、ドリンクバーが今後プラス200円での提供に、またソフトクリーム付きのドリンクバーはプラス300円となるとのこと。その代わり、今後新たにプレミアムコーヒー「COSTA COFFEE」が導入されるということで、有料になる分飲み物のラインナップは充実するようである。

ただ、この有料化の張り紙があったのがどの店舗なのかは不明で、どうやら全店舗で実施されるものではなく、一部店舗での対応らしいといった話もあるようだが、その真偽は今のところ不明。ちなみに快活CLUB側からは、この件に関する正式なアナウンスは特にない状況だ。

“神ポテト終了”に匹敵するインパクトに

ここ近年は原材料価格の高騰が顕著で、飲食業界を中心に大きな打撃を与えているとの話がしきりなされており、つい先日にはイタリアンファミリーレストラン「サイゼリヤ」で、粉チーズの無料提供を終了するとのアナウンスがあり、利用者の間で大きな衝撃が広がったばかり。

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いっぽうで快活CLUBにおいては、以前まで無料モーニングの一環として、“神ポテト”と呼ばれる細切りフライドポテトを提供していたのだが、こちらも原材料の輸入遅延などの理由で供給が困難となり、22年11月にサービス終了を発表。この時も、多くの快活CLUBユーザーからショックを訴える声が頻出したことも記憶に新しい。

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イタリアンの店における粉チーズ提供と同じほど、ある意味で当たり前のサービスであった、インターネットカフェにおけるドリンクバーだが、仮にこれが本当に有料化されるとなれば、過去の“神ポテト終了”とは比にならない衝撃が広がるのは必至といったところ。

実際、今回の件もSNS上でトレンド入りを果たすなど、様々な反応が飛び交っているところなのだが、そんななかで散見されるのが、「市場が大企業によって寡占/独占状態になるとどうなるかを示す典型例」「何しても客来るだろという舐めた態度」などといった、快活CLUBが業界内で寡占状態なだけに、こういった動きに出るのはある意味で当然か……といった見方だ。

自宅に高速のネット環境がない、あるいは自分専用のPCがないといった状況が当たり前だった過去に、大いに流行ったネットカフェだが、最近では自分のスマホでネットどころか漫画さえも読めてしまうといった時代となり、ネットカフェの存在意義はたちまち希薄なものに。10年ほど前に比べると、その市場規模は約半分にまで縮小しているという。

そんな状況下で、コロナ禍突入のタイミングまでは売上高・店舗数ともに年々右肩上がりだったのが快活CLUBで、今ではネットカフェ市場で4割以上のシェアを占めているとのこと。そうなれば、今後は投資回収ターンということで、これまで客引きのために行ってきた各種サービスを廃止していくのは当然の流れ……というわけだ。

右肩上がりだった店舗数は減少へ

ちなみに、快活CLUBなどを擁するAOKIホールディングスの23年3月期の決算を見てみると、快活CLUBなどのエンターテイメント事業は、コロナの影響が和らいだことで増収増益に。紳士服などのファッション事業の売上高が945億円だったのに対し、エンターテイメント事業は712憶円となっており、ますますグループ内での存在感は増しているといったところだ。

ただ快活CLUBの店舗数に関しては、22年3月期に504店だったのが、23年3月期は493店に減り、さらに来たる24年3月期には489店舗になるとの予測をしているよう。ひと頃の右肩上がりに増える店舗数といった“勢い”はすっかり鳴りを潜めており、決算資料には24年3月期のエンターテイメント事業の取り組みとして、“改装、営繕による店舗設備環境の維持、向上”あるいは“既存店の磨き上げに注力”などの文言が記されている。

その一環なのか、最近の快活CLUBではフィットネスジムの導入を進めている店も増えているといったも。もともとAOKIホールディングスといえば「FiT24」という、24時間営業のセルフトレーニングジムも展開していることから、ノウハウはあるようで、それを活かして2023年度から3年間で、計100店舗から150店舗の既存店に導入する計画なのだというのだ。

コロナ禍前までの拡大路線に一息付け、今後は店舗数を維持しながらも各店舗の底上げ、要はネットや漫画だけでない多彩なコンテンツを導入するなどで、新たな顧客の獲得にくわえ、元からの客に関してもその単価のアップを図っていくといった方向性へと、明らかに舵を切っている快活CLUB。それだけに、これまで無料だったドリンクバーも、例えば高品質化したうえで有料化するといった流れも決して考えられなくはないのだが、果たして今後どうなるのか。多くの快活CLUBファンが、その成り行きを注視しているといった状況だ。

Next: 「どうやってドリンクバーの有無を識別するんだろうか」

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