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中国に限らず海外メディアは「汚染水」と報道。米紙も「処理済み汚染水」と書く現実に日本政府はどう対応するのか?=原彰宏

中国に限らず海外メディアは「radioactive water(放射性水/汚染水)」と報道

今回海洋放出される水は、「radioactive water」なのか、「treated water」なのか。はたまた、「treated radioactive water」なのか…。

中国が今回の海洋放出を非難していますが、世界的に日本だけが「treatedwater(処理水)」という表現を使い、中国だけに限らず米国を含め海外では「treated (処理された)」であろうと「radioactive water(放射性水、汚染水)」という表現を使っていますね。

NHKがなんと言おうと……。言葉のチョイス・表現はすごく重要な問題で、その表現を選ぶ背景には、政府などの何らかの意図があるのは当然です。

「敵基地攻撃能力」が「反撃能力」に変わったのは、記憶に新しいですね。

少し前の話ですが、英語表記だと、日本発の英字新聞「ジャパンタイムズ」が、徴用工を「forced laborers(強制された労働者)」ではなく「戦時中の労働者(wartime laborers)」と表現するようになりました。

慰安婦については「日本の軍隊に性行為の提供を強制された女性たち(womenwho were forced to provide sex for Japanese troops)」としてきた説明を変え、「意思に反してそうした者も含め、戦時中の娼館で日本兵に性行為を提供するために働いた女性たち(women who worked in wartime brothels,including those who did so against their will, to provide sex toJapanese soldiers)」との表現になっています。

※参考:焦点:「慰安婦」など表記変更 ジャパンタイムズで何が起きたか | ロイター(2019年1月25日配信)

記事によれば、このことでジャパンタイムズは、当時の安倍政権との単独会見が実現したとか…。

なぜ8月24日だった?

さて、この海洋放出を実施する8月24日という日程は、政治日程の絡みから出てきたと毎日新聞は批判しています。

政府は東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を24日に始める。政治日程などをにらんで放出日を調整してきた政府は、風評被害を懸念する漁業者の理解を得られないまま踏み切る。<中略>

東京電力福島第1原発の処理水について、岸田政権が8月中の海洋放出に踏み切ったのは、9月上旬の外遊や9月中旬が有力視される内閣改造などの窮屈な政治日程をにらみ、「夏ごろ」としていた放出時期をいたずらに引き延ばすことが得策ではないと判断したためだ。

出典:処理水放出踏み切った政府 外遊、内閣改造…綱渡りの政治日程 – 毎日新聞(2023年8月22日配信)

国会も開いていないので、国会での追及も避けられますしね。福島の漁業関係者等との話し合いが十分なされたからこの日に決めたのではないのですね。

この流れで、現地の人の言葉「理解はするが、納得はできない」という表現を噛み締めてください。

※参考:処理水放出、納得なき「理解」 政府関係者「反対続ければ復興も遅れる」 – 朝日新聞デジタル(2023年8月22日配信)

ALPS処理水海洋放出に対しての、地元の方々の思いkが「納得なき理解」という表現に込められていると思います。

Next: 現地の人の言葉「理解はするが、納得はできない」から読み取れるもの

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