「給食費無償化」に反対する立場
東京都の場合、自民党と都民ファーストが「給食費無償化」に反対しています。立憲民主党などの野党に加え、中央政権では与党である公明党は、給食費無償化に賛成しています。
※参考:学校給食費「無償化」実現するか? 賛否が拮抗「自民は反対、公明は賛成」杉並区議会(亀松太郎)- Yahoo!ニュース(2023年9月26日配信)
以下は「給食費無償化」に反対する意見です。
※参考:「杉並区の」給食費無償化。こんな施策には賛成できません。 – わたなべ友貴(ワタナベトモキ)- 選挙ドットコム(2023年10月1日配信)
世論は、調査機関や方法にもよりますが、概ね半数以上の人は「給食費無償化に賛成」の立場のようです。
給食費無償化に反対の意見を載せたサイトもありますので、ご紹介しておきます。
※参考:小中学校の給食は「無償化するべきではない」と専門家が言う理由(2023年4月27日配信)
・お金を負担している家庭と免除されている家庭との間に不公平感がある
・給食に物を言うには食費を負担している方が言いやすい
…などがあります。
給食費無償化に限ったことではないですが、過度な平等意識は弊害を生みます。子どもを育てるとか教育を受けることの平等を語るうえで、資本主義の概念を持ち込むのはいかがなものかと、個人的には思いますがね…。
現状では、国の制度としては、生活保護を受けている世帯などに無償の対象は限られています。
制度設計の違い……国と地方自治体で、生活困窮者へのサービスを行う制度が違うということですかね。
朝日新聞では、京都大学人文科学研究所の藤原辰史准教授(食の現代史)の意見を紹介しています。
※参考:無償化だけが目玉政策なんて「あり得ない」 知ってほしい給食の本質:朝日新聞デジタル(2022年11月27日配信)
生活保護を受給する家庭の子どもだけ無償化するというのは1950年代の日本の伝統的な家族観によっていて、「親が子どもの面倒をみるべきだ」「親がどうしても面倒をみきれなかったらフォローしますよ」という価値観によるものですよね。
でも、もうちょっと社会全体として「私たちの子ども」という子ども観や当事者意識をもってフォローしていくという考え方でも良いのではないでしょうか。子どもである以上、制限なく、親が誰であろうが「私たちの宝」です。
無償化に反対する理由として「給食費を支払うことで当事者意識が芽生える」「無償化されるとみんなが無関心になって質が下がるのではないか」という意見も聞きます。
確かに一理ありますが、税金そのものだって私たちが払っているのですから、給食費を支払うのと同じことですよね。だからその税金を使って、子どもたちにおいしい給食を食べさせてほしと私は考えます。
学校給食法を、子どもの貧困が深刻化した今の時代に沿った形にしていくべきです。
藤原教授のご意見にもあるように、少子化対策って、結婚を促進するとか、子育てしやすいようにお金の支援をすることで解決できるものでは、ないような気がしますね…。