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給食業者が破産…なぜ給食費無償化は進まないのか?岸田政権「異次元の少子化対策」の的外れ=原彰宏

「給食無償化」の地域間格差

給食費無償化を地方自治体の予算で行うとなると、地域間格差が生じることは明白です。

東京都23区を見ても、無償化導入、あるいはその意向を表明している区を考慮して、現段階で給食費無償化をしていない区は5区あります。

無償化を実施している区においても「本来は国がやるべきなのだが」としながらも、来年度から給食無償化に踏み切る区もあります。
※参考:「給食費無償化」の動き 東京23区で広がる – NHK(2023年7月13日配信)

隣の市町村は給食費無償化を行っているのに、自分たちが住んでいる市町村は行っていない…。

公立の小学校・中学校の給食は、各自治体の給食センターで調理されています。管理を自治体が行っているため、そこから子どもたちの給食費用を計算しています。

各自治体によって多少の上限があるものの、毎月5,000円前後の金額が徴収されます。兄弟がいる場合はさらに金額が増加してしまうため、家庭への負担も大きくなっています。

学校給食はなぜ生まれたのか

お米の総合サイト「ごはん彩々」のサイトにはこのような説明があります。

学校給食の始まりは、1889(明治22)年に山形県鶴岡町(現・鶴岡市)の大督寺境内にあった私立忠愛小学校において、生活が苦しい家庭の児童を対象に、無料で学校給食を実施したことが起源と考えられています。

出典:日本では「学校給食」はいつ始まったの? – ごはん彩々(全米販)

「生活が苦しい家庭の児童対象」と書かれていますね。そうなんです。給食には「貧困家庭の救済」という側面があるのです。

サイトには、宗派を超えて行なった寄付によって設立された私立忠愛小学校が火事で焼失し、忠愛協会を設立して寄付金や浄財をもとに、昭和20年まで弁当や給食費の支給が継続され、学校給食の礎となったとあります。

公明党「コメチャンネル」に、ここまで訴えてきたことが、海外の例を交えながらまとめられています。その一部を抜粋します。詳しくはサイトを参照してください。

給食費無償化とは、学校給食の費用を生徒の保護者から徴収せず、自治体や国が公費を用いて賄う制度のことです。

この制度は、全ての子どもが平等に栄養バランスのとれた学校給食を食べることができ、経済的な困難から子どもの健康や学習機会が損なわれないようにすることを目的とします。

貧困家庭の子どもたちをサポートする手段として、また、子どもたちの健康の向上と学力の引き上げを目指す政策として広く注目を集めています。

文部科学省が2022年7月末に行った調査によると、給食費の負担軽減策を「実施している」又は「実施を予定している」と答えた自治体は、合わせて1,491で、これは全体の83.2%に上ります。例えば東京23区では、2023年4月時点で、9つの区が給食費の無償化を実施しています。これは、物価高騰対策の一貫として取り入れられ、全国の自治体へ広がりました。

出典:給食費無償化とは?申請方法と対象地域について解説 | コメチャンネル – 公明党

そうなんです。公明党も、給食費無償化問題を、「家庭の貧困化問題」であると位置づけています。

Next: 「給食費無償化」に反対する立場も。少子化はどうすれば止まるのか?

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