検討している不動産の“未来”を知る方法
先の事例は、数十年の時を経て、ようやく明らかになったことです。では、購入前に、その物件の将来がどうなるのかはわからないのでしょうか。
丸山さんは、「実のところ、ある程度の予測はつけることが可能」だとおっしゃいます。
こちらの物件をご覧ください。
上記は、首都圏沿線にある駅から徒歩11分の新築一戸建て物件の募集要項です。最新設備にカースペース2台分を備えるなど、一見、良さそうに見えます。
次に、こちらをご覧ください。
同じエリア内にある、同程度の広さを持つ中古物件の募集要項です。希望売り出し価格は680万円でしたが、建物の価値は認められず、ほぼ土地だけが売買された形で、最終的に350万円での売却となりました。
丸山さんは、「不動産の真の価値を知る方法として、検討している物件の周囲にある中古物件や土地の価格を調べるのがコツ」だと言います。
中古物件の相場を確認したり、最終的な土地の底値がどれくらいになるのか、といったことを調べたりすることで、出ている売り出し価格が妥当なものかどうかを判断する目安がわかります。
「底値(土地代)が350万円になるのだとしたら、それでも購入するだろうか?」と思案することが、不動産購入において、負けない方法です。
丸山さん曰く、「他に見るべきポイントとしては、検討している物件が、若者が流入する要素があるエリアにあるかどうか。事例でもお話ししたように、需要がある地域の物件であれば、価値も落ちにくくなります。
それから建蔽率や容積率などといった、エリアの規制事項もチェックしておくといいでしょう。規制が人の流入を妨げている場合があるためです。
最近の例だと、人口減に悩む京都市が、高さ制限などの規制を一部緩和しています」。