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アメリカの老舗「シアーズ」倒産は、ダイエーと同じ理由? 日本企業が向かうべき道とは=吉田繁治

衣料は小売りマージンが高い

ユニクロ並みの価格の衣料は、単価が1,500円や2,000円でも、小売りマージンが40%から60%はあります。このため仮想店の宅配ができます。

わが国の衣料専門店は、前澤氏のZOZOタウンのような仮想店のマーケットプレースに、商圏の売上で1年に3%くらいは減る影響を受けています。

住関連や家電は、宅配費比率が低い

住関連商品も、開発輸入なら「卸+小売りマージン」が50%はあります。十分に、仮想店の販売になり得ます。日本型ホームセンターの売上は、(まだ米国の3分の1くらいとは言っても)仮想店からのマイナスの影響を受けています。

所得が増えていないため、商圏の消費需要が伸びない日本では、仮想店増加の影響が、消費がまだ増えている米国より大きくなります。

家電は、小売マージン率は28%(売上1.5兆円のヤマダ電気)でも単価が高い。宅配費の構成比は小さくなります。売価1万円なら4%でしかない。約3%のクレジット・カードの手数料並みです。

有店舗の売上を侵食している仮想店への対策は、2つあります。

  1. 自分自身が仮想店を始める
  2. 他がもち得ない、商品価値の高いPB商品を作る

ということです。

仮想店の販売構成比が日本の2倍の米国は「大閉店の時代」へ

最近5年の米国では、大手・中小に関係なく、閉店と破産が多い。今後の数年で、店舗面積の10%、総面積では1億平米(3300万坪)がなくなると予想されています。この1億平米は、わが国の小売業の総面積(120万店:1.4億平米:2004年)の71%にも相当します。

店舗間競争が激しい米国では、わが国より約5年早く、いつまで続くか分からない「大閉店時代」を迎えたのです。生鮮食品以外では、ネット販売を自ら行わないと対抗にはならない。

日本でも「ゼロ金利」「特別融資」で延命しているが…

改めて認識すべきは、わが国でもゼロ金利と、政府系金融機関からの特例貸付により、推計で約20万店(総店舗の約20%)が延命していることです。銀行貸付の条件は、一般に企業の黒字と黒字の確実性ですが、これが無視されています。不正な融資があった政府系の商工中金では経営不振と赤字が、逆に、貸付の条件になっているくらいです。

金利が上がると、いずれは不良債権になるものが多い貸付は、停止されます。小売業は、赤字が4年続くと、資本を使いつくし、手持ち資金が枯渇して破産します。損益の赤字は、キャッシュフローの減少になるからです。

Next: 就職人気でもトップだった小売業。高学歴が揃っても顧客は増えない…

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