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割安な新興国株、米中問題を織り込んだ日本株に注目?2019年の推奨ポートフォリオとは=田中徹郎

<ヘッジファンド>

昨年はヘッジファンドにとって厳しい一年だったといえるでしょう。

昨年のCredit Suisse(クレディ・スイス)のヘッジファンド指数は、▲3.19%に終わりましたし、主要な戦略をみても年間の騰落率は

・転換社債裁定型⇒▲2.26%
・イベント・ドリブン⇒▲3.95%
・株式ロング/ショート型⇒▲4.62%
・マネージド・フューチャーズ⇒▲6.67%
・グローバル・マクロ⇒▲0.11%

など軒並みマイナスです。

ただし株価のほうも、例えば

・アメリカのS&P500株価指数⇒▲4.38%
・日経225株価指数⇒▲12.08%
・MSCI世界株価指数⇒▲10.44%

などと大幅に下落しましたので、それと比べるとまだマシという見方もできるかもしれません。では今年はどうなのでしょう。

結論から申し上げますと、全般的に今年も苦戦する可能性が高いと思いますが、ヘッジファンドと一口に言っても、運用戦略はさまざまです。

例えば、今年もトランプさんの言動に振り回され、相場の激しい上下動が続くであろうという想定に立てば、「ボラティリティから収益を挙げる戦略」が面白いと思いますが、逆に中期の継続的トレンドから収益を挙げるタイプの「マネージド・フューチャーズ」には強気になれません。

一方で新興国経済が安定に向かうという見通しに立てば、「新興国運用型、特に新興国の破綻証券に投資するタイプのファンド群」には強気でいいでしょう。

<現物資産>

現物資産については、いつも申し上げていますように、今年という短い期間ではなく、長期的な視野に立って一定額を保有しておくべきではないかと思います。

あえて今年という観点で申し上げるなら、カラーストーンが面白いと思います。

なんどかこのメルマガでお話ししてきましたように、カラーストーンの原産地では、近年ますます採掘量が減ってきております。

一方で相変わらず香港や中国、中東など富裕層からの引き合いは旺盛で、現地相場は今も上昇中です。

これも富の一極集中がもたらす現象の一つでしょう。

今年もこの需給に変化があるとは思えません。

なかなか見つけにくくはなっていますが、非加熱・高品質・大粒なルビー、サファイア、スピネル、ヒスイなどは、今年も有望ではないかと思います。

特にスピネルは現地でここ数年価値が見直されつつあり、きっと良い投資になるでしょう。

コインも面白いと思います。

ただしここ数年、ホンの一握りの銘柄に人気が集中した結果、イギリスの近現代5ポンド金貨や、5ギニー金貨が、説明できない価格帯まで急騰しております。すでに値下がりを始めた銘柄群もあり、そのようなコイン群は避けたほうがいいでしょう。

一方で相場から忘れられた割安コインもたくさんあります。
・古代ギリシャ
・古代インド

など古代コインはまだまだ評価不足で安く買えますし、
・神聖ローマのターレル
・1800年代のターレル(特に2ターレル)

で、状態の良いコインはどう考えても割安です。

神聖ローマのダカット(金貨)はまだまだ値上がりしてもいいと思いますし、中南米のスペイン、ポルトガルの植民地金貨のなかには、「なぜそんなに安いの?」と言いたくなる銘柄も多いです。

さらに近年経済成長が急な
・アジア諸国のコイン群(1800年代から1900年代)

も楽しみです。コインの文化が遅れて入ってきたため、この地域のコインには新しいものが多いのですが、それだけに見逃されている隠れた希少コイン達もいます。

最後に不動産についてです。

よく日本の不動産は東京オリンピック以降下げると言われますが、僕は違った考えを持っています。

オリンピック需要は多少あるかもしれませんが、昔と違ってローコスト・オリンピックで、関連投資は限定的です。

それよりは常に進化し続ける東京という都市は、とどまるということを知りません。

私たちが東京に不動産を持つということは、その成長性の一部を所有するということで、投資として理にかなっていると思います。

すくなくとも現在の相場水準では。

Next: これらの状況を踏まえた、推奨ポートフォリオとは?

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