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割安な新興国株、米中問題を織り込んだ日本株に注目?2019年の推奨ポートフォリオとは=田中徹郎

今年の相場の予想(株、債券、ヘッジファンド、国際商品、現物資産)

では相場のほうはどう動くのでしょう。

<日本株・アメリカ株>

昨年末以来、世界の株価は大きく振れながら下げていますが、その最大の要因が米中貿易摩擦にあったことは間違いないでしょう。ただし前段で触れましたように、市場は徐々に、この問題の帰結を織り込みつつあるように思います。

つまり貿易面では中国が大幅な妥協を示す一方で、その他の問題、例えば国家ぐるみで製造業を育成したり、他国の技術を自国に強制移転しようとする政策について、中国は妥協を小出しにしながら時間を稼ぐだろうという見方です。

もし中国がこのように巧妙な戦術をとるのであれば、アメリカや日本に有効な対抗手段は見つけずらいと思います。が、今年の株価という狭い観点で見るならば、それも決して悪いお話しとは言えません。

前段のように米中協議は延長戦に入るでしょうが、世界の株価はこの問題に対して徐々に反応しなくなるとみております。

一方で昨年には見られなかった、新しい兆しが出てくると思います。

すでに新聞紙上などで、次世代通信「5G」が取り上げられることが増えてきましたが、いよいよ今年は5G元年です。

基地局への投資は既に始まっていますし、今年中には早くも5G対応のスマホが出てくる見通しです。

5G効果はスマホを中心とした民生分野だけにとどまりません。

自動運転や遠隔手術、物流や製造の現場などの産業分野で、幅広い技術革新を生む可能性があると思います。

関連分野も広範囲にわたり、例えばわが国製造業が得意とするデバイス(部品)や半導体、産業用機械など、今年の年末あたりから企業業績への貢献が、現れ始めることになるでしょう。

振り返れば昨年末以来、日本株にとって悪い材料ばかりでしたが、上記のような理由で今年は、月が進むにつれて明るい材料が増えてくると思います。

年末あたり、日経225が昨年最高値2万4,000円を超えていても僕は驚きません。

日本株以外の株も悪くないとと思っています。

特に期待したいのは新興国株です、昨年はアメリカの利上げ懸念からずいぶんと売られましたが、今年の利上げはせいぜい1回か2回でしょう。

一方で上記のように世界の景気はスローダウンしつつも、一定の成長は維持できそうです。

よほど想定外の出来事があれば別ですが、今年の新興国株は期待できると思っています。

特に成長期待が高いASEAN株に注目したいと思いますが、景気刺激策への期待から中国株も上がるとみております。

アメリカ株はどうでしょう。

今月初め、アップルが行った業績予想の下方修正によって、同社の株価は下落しましたが、どうやら「これでお終い」というわけには行きそうもありません。

日本株と違ってアメリカ株は、米中摩擦の影響がまだ十分に織り込まれているとはいえず、特にこれから始まる昨年10-12月四半期の業績発表は、「アップル化現象」があちこちで見られるのではないかと少し心配です。

ただしその先はどうでしょう。

経済はスローダウンするものの、アメリカ企業の業績は、2019年通期で見れば7%程度の増益予想が一般的です。

利上げの停止や、米中摩擦の緩和などプラスの要素もありますので、今年のアメリカ株は悪くないと思います。

Next: 債券と金利、国際商品相場の今後の行方は?

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