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欧州景気リスクの顕在化で鈍い動き、来週は日銀追加緩和の思惑に注目したい(3/8)=久保田博幸

世界経済が回復基調に戻るといったシナリオも準備

米国株式市場のダウ平均はここにきて一時2万6,000ドルの大台を回復してきた。昨年末の下落相場で下げた分を取り返してきた格好となっている。ダウ平均は昨年の12月3日の2万5,800ドル台あたりから大きく調整し、12月24日に2万1,800ドル台まで下げた。そこが今度はボトムとなって回復基調となったのである。

米10年債利回りを確認してみると、こちらは今年1月3日に2.55%まで低下したが、ここがボトムとなって1月21日に2.78%まで回復、その後再度低下して2.63%あたりまで低下したが、ここにきて2.7%台に回復している。ダウ平均との相関関係はそれほど高くはないものの、米10年債利回りが下がりづらい状況となっているようにもみえる。

ドル円の動きを再確認すると、日本時間の1月3日の朝7時半過ぎに開いていたシドニー市場の時間帯にドル円が一時104台まで急落した。しかし、ドル円も次第に回復基調となり、112円近辺に値を戻している。ドル円の調整前の水準が昨年12月20日前後の112円台半ばあたりとなる。

原油先物価格をみてみると、こちらも昨年12月24日のWTI先物での42ドル台がボトムとなって、ダウ平均と同様の戻り基調となり、12月20日前後の水準となる57ドル台あたりまで値を戻している。

昨年末あたりからのいわばリスク回避ともいえる株や原油先物、ドル円などの下落の背景には、欧州や中国の景気減速観測があった。さらにFRBの正常化に向けた利上げ継続観測、そして中国景気の減速の要因ともなっている米中貿易摩擦問題などもあった。

これに対して、FRBはパウエル議長の発言や12月のFOMCの議事要旨などを受けて、2019年内の利上げ観測が後退し、さらに保有資産の縮小についても停止する可能性が強まった。これを受けて市場のマインドが変化してきたことは確かであろう。ECBの年内利上げ観測も後退した。

さらに米中通商交渉についても進展する兆しが出てきた。こちらはまだ不透明感は残るものの、米朝首脳会談が決裂し、やや苦境に立たされているトランプ大統領にとって、株価の回復は支持率回復のためは必要なものとなろう。そのためには公約にとらわれず、株式市場の回復要因ともなりうる米中通商交渉を進めざるを得ない面もあるように思われる。

2020年に米国では大統領選挙が控えている。大統領選挙の1年前の米国の株式市場は上昇するというアノマリーもあるそうだが、現役大統領が2期目も狙うとすれば、株価に好影響となる対策を次々と打ち出すことも想定される。

2019年の世界経済は減速の懸念もまだ残るが、その減速が比較的緩やかで途中で回復基調に戻るといったシナリオも準備しておいた方が良いのかもしれない。

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