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欧州景気リスクの顕在化で鈍い動き、来週は日銀追加緩和の思惑に注目したい(3/8)=久保田博幸

来週の予想

8日のECB理事会では、ゼロ%の主要政策金利などの水準を、前回までの「少なくとも2019年夏まで」維持するとしていたものから「少なくとも年末まで」と修正。TLTRO3については2019年9月に開始することも決定した。ユーロ圏の経済見通しでは、2019年の成長率を前回12月における1.7%から1.1%に大きく下方修正した。

これを受けて世界経済の減速への懸念が再燃し、7日の欧米の株式市場は下落、8日の日経平均は一時2万1,000円を割り込んだ。中国の2月貿易統計で人民元建て輸出が急減し、これも8日の東京株式市場には悪材料視された。比較的しっかりだったドル円も下落。

8日にドイツの10年債利回りは0.06%に低下。米10年債利回りも2.64%に低下した。世界経済の減速観測が強まると、日銀の追加緩和の思惑なども今後あらためて浮上する可能性がある。10年債利回りは心理的な壁とされるマイナス0.050%を試すか

ただし、日銀には追加緩和手段はほとんど残されてはいないようにも思えることで、市場ではいろいろと思惑も出てくる可能性もある。14日から15日にかけて開催される日銀の金融政策決定会合も注意となる。

債券先物3月限は13日が取引最終日となることで、週初の債券先物は中心限月の移行を意識した動きとなりそう。国債入札は12日に5年債、14日に流動性供給入札が予定されている。

長期金利の予想レンジ -0.070~0.010%

<主な予定>

3月11日 (月)
2月マネーストック
米1月小売売上高
米12月企業在庫

3月12日(火)
5年利付国債入札
1~3月期四半期法人企業景気予測調査
米2月消費者物価指数

3月13日(水)
債券先物3月限取引最終日
2月国内企業物価指数
1月機械受注
1月第三次産業活動指数
米MBA住宅ローン申請指数
米2月卸売物価指数
米1月耐久財受注
米1月建設支出

3月14日(木)
日銀金融政策決定会合初日
国庫短期証券(3か月物)入札
流動性供給入札(残存期間5年超15.5年以下)
米新規失業保険申請件数
米2月輸入物価指数
米1月新築住宅販売件数

3月15日(金)
日銀金融政策決定会合二日目
日銀黒田総裁会見
3月ニューヨーク連銀製造業景気指数
米2月鉱工業生産・設備稼働
3月ミシガン大学消費者態度指数速報値
1月対米証券投資

image by: Alexandros Michailidis / Shutterstock.com


※本記事は有料メルマガ『牛熊ウイークリー』2018年11月30号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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牛熊ウイークリー』(2019年3月8日号)より一部抜粋
※見出し、太字はMONEY VOICE編集部による

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