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決済履歴が残るということは、その人が欲しいものもおおよそ分かります。例えば、ランドセルを買ったら、次は文房具が必要だろうという具合です。
これをオンラインの世界で真っ先に構築したのがAmazonです。Amazonで商品を買うと「関連商品」を提案してきます。ついポチッと購入してしまった経験がある人も少なくないのではないでしょうか。
Amazonはオンラインですが、これをオフラインの世界にも持ち込んだのがアリペイです。アリペイは中国最大のオンラインショッピングモールであるアリババの「Tモール」とつながっていますから、オンライン・オフライン問わずよりその人に合った広告を打ち出すことができます。
この場合、アリペイは広告主から広告料をもらうことができます。この場合も、膨大な購買履歴をビッグデータで分析することになります。より購買可能性の高い人に広告を出せるため、効果が高いと言えるでしょう。
日本でキャッシュレス決済の勝者になるのは?
ここまで見ていただくとわかるように、QRコード決済は、他のサービスと結びつくことで初めて収益化が可能となります。その点において、すでにそれらの機能を有している会社の方が将来が有望視されるのです。
<本命:PayPay>
本命はPayPayでしょう。何より、資金力が違います。国内有数の収益力を誇るヤフー<4689>の莫大な資金を使い、他社を蹴落としにかかっています。それだけではなく、グループ会社のソフトバンク<9434>の携帯ネットワークや、場合によっては10兆円ファンドの資金を持ち出すかも知れません。
関連事業も充実しています。子会社にジャパンネット銀行を有していますから、その気になれば消費者金融などに乗り出すこともできるでしょう。銀行を持っていれば、金融関連でできることの幅は大きく広がります。
加えて、最近はショッピングにも力を入れています。店舗の出店料を無料にして、規模の拡大を図っているのです。ここの収益源は広告ですから、QRコード決済の広告との相性はとても良いと言えます。
<対抗:楽天ペイ>
関連事業の充実という観点では、上を行くのが楽天<4755>です。ショッピングはもちろん、銀行、証券、クレジットカードなど、業界でも大きな力を持つ企業群を抱えています。
楽天は今のところQRコードの普及にはあまり熱心ではないように見えます。それは、国内最大の発行枚数を誇る楽天カードを持っているからでしょう。
それでも、その気になれば対抗できるだけの資金力と周辺サービスを持っています。今は様子見なのかも知れません。