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ミニストップ、レジ袋有料化実験へ。なぜ世界は急速に脱プラスチックに動いたのか

深刻な海洋プラスチック問題

WWFという団体があります。約100カ国で活動している環境保全団体「World Wide Fund for Nature(世界自然保護基金)」のことです。

1961年9月、絶滅のおそれのある野生生物を救うことからスタートし、地球上の生物多様性を守り、人の暮らしが自然環境や野生生物に与える負荷を小さくすることによって、人と自然が調和して生きられる未来を目指しています。スイスのグランに、そのネットワークの中心が置かれています。

日本グループは「WWFジャパン」で、秋篠宮文仁親王殿下が名誉総裁になっておられ、ロゴマークにはパンダが使われています。WWFジャパンの顧問には皆さんがよく知る人がいて、ユニセフ親善大使を勤めている黒柳徹子さんや、パンダ大使で歌手の加藤登紀子さん、子ども達にもお馴染みのさかなクン、東京五輪誘致で「お・も・て・な・し」で脚光をあびた滝川クリステルさんが名を連ねています。

WWFは、海洋プラスチック問題にも取り組んでいて、ホームページには、海洋プラスチックごみの悲惨な現状を数字を用いて紹介しています。

そこに、海洋プラスチック問題の深刻さが紹介されています。その内容を中心にプラスチク問題の現状を考察します。

<海洋プラスチックごみは年間800万トン>

WWFによりますと、すでに世界の海に存在しているといわれるプラスチックごみは、合計で1億5,000万トンと言われているようです。そこへ、少なくとも年間800万トン(重さにして、ジャンボジェット機5万機相当)が、新たに流入していると推定されています。

プラスチック製のレジ袋が完全に自然分解されるまでに1000年以上かかるとの研究もあり、いったん海に入り込むと、環境にとても長い間影響を与えることになります。

これらのプラスチックごみの多くは、例えば海岸での波や紫外線等の影響を受けるなどして、やがて小さなプラスチックの粒子となり、それが世界中の海中や海底に存在しています。

5mm以下になったプラスチックは、マイクロプラスチックと呼ばれています。

マイクロプラスチックは本来自然界に存在しない物質で、具体的にどのような影響を及ぼすのか詳しいことはまだ明らかにされていません。

しかし、どう考えても生き物にとって良い影響を与えるとは思えませんし、、自然保護という観点から楽観視することはできないでしょう。

マイクロプラスチックは、日本でも洗顔料や歯磨き粉にスクラブ剤として広く使われてきたプラスチック粒子(マイクロビーズ)や、プラスチックの原料として使用されるペレット(レジンペレット)の流出、合成ゴムでできたタイヤの摩耗やフリースなどの合成繊維の衣料の洗濯等によっても発生しています。

<使い捨て容器が問題になっている>

この問題になっている海洋プラスチックの8割以上は、陸上で発生し海に流入したもので、特に多いのが、使い捨て用が中心の「容器包装用等」です。この用途に使われるプラスチックは、世界全体のプラスチック生産量の36%、世界で発生するプラスチックごみの47%を占めていると考えられます。「ゴーストネット」と呼ばれる、廃棄された漁網も考えられます。

プラスチックの年間生産量は、過去50年で20倍に増大しました。しかし、これまでにリサイクルされたのは、生産量全体のわずか9%に過ぎません 。

ダボス会議で知られる世界経済フォーラムは、2050年にはプラスチック生産量はさらに約4倍となり、「海洋プラスチックごみの量が海にいる魚を上回る」というショッキングな予測を発表しています。

Next: 生態系への影響は?クジラやウミガメに被害が…

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