直営店のフランチャイズ化は「悪手」
ほっともっとはこれからどう立て直したら良いのでしょうか。
これまで、直営店のフランチャイズ化による業績改善を目指していたということですが、これはとんでもない悪手です。
確かに、プレナス自身の業績は一時的には改善するでしょう。なぜなら、フランチャイズ化してしまえば、本部は人材募集のコストを負わなくて良くなり、ロイヤリティ収入で「確実に」儲けることができるからです。
もちろん、これで苦しくなるのはフランチャイズのオーナーです。本部で採算が取れないものを引き継いで、ロイヤリティを払いながらどうやって採算を取ろうと言うのでしょう。
コンビニでも問題になっていますが、「オーナー」という甘い言葉を借りた「ブラック労働」に他なりません。本部が儲かっても、現場が疲弊すればそれは顧客満足度の低下につながり、やがてはブランド価値の低下となって本部に跳ね返って来るのです。
これをやって大コケしたのが、「プロ経営者」の原田氏がCEOを務めていたときの日本マクドナルド<2702>でした。
採算の取れない店舗を閉店することを決断しただけでも、ほっともっとは英断だったと思います。
「ボリュームアップ」以外の方法で顧客満足度を高める
目の前の問題に少しずつケリをつけたら、考えることはシンプルです。それは、売上を伸ばしてコストを減らすことです。
売上を伸ばす上で、足かせとなっているのが「デフレ志向」だと考えます。顧客離れを恐れるが故に、値段を上げられないのです。その結果、今回のように原価だけが上昇する結果となってしまいます。
しかし、近年のコスト上昇を考えると、値段を据え置くのは限界に来ているのではないでしょうか。
本来顧客に提供するのは単なる安さではなく「価格以上の満足」です。ニトリの「お値段以上」を見習わなければなりません。値段を上げるには、顧客の満足度を高める必要があります。まずは思考をそちらに向けなければなりません。
から揚げ弁当が「ボリュームアップ」しかできなかったのは、これまで本当の顧客満足をおろそかにしてきた結果だと思われます。
顧客のことを見つめ直し、いい商品を作り続ければそのうち大きなヒット商品を生み出すことも可能なはずです。