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金価格の現在はどんな状況といえるのか?長期的なトレンドでは4~6倍に上昇する=吉田繁治

通貨発行の準備資産

米ドルを準備資産にしていると、ドルが下落したとき、ドルを通貨発行の準備資産にしている自国通貨の信用も下がります。

新興国の大国であるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、そして何よりも中国)の中央銀行が、リーマン危機のあとの金融危機への対策として、FRBが4兆ドル(420兆円)増刷されたドルの長期的な下落を想定して、金の大きな買い越しに転じたのは2010年からです。

人民元に対するドルの実効レート

人民元に対してドルの実効レートは、47%下げています(2006年~2018年)。2012年から、アベノミクス円安(1ドル80円→120円)に下がった円では、ドルの元に対する実効レートの低下は見えない。

アベノミクスでの通貨増発で、円は下落していた

2012年から2017年まで、ドルに対して50%も下がった円に対しては、ドルが上がったように見えていたからです(2012年~2017年)。

円は2019年8月は1ドル105円台に上がったとはいえ、まだ1980年代前半の水準(40年も前!)に下がった水準です。(↓世界の通貨平均に対する実効レート)。

1995年以降、円の増発とゼロ金利、マイナス金利で先行し、主要国(日本、米国、ユーロ、人民元)の通貨で、もっとも大きく下がったのが円です(1995=150→2019=75:50%下落)。
※参考:実効為替得レートの推移(日本・米国・ユーロ圏・中国)

新興国の中央銀行と金投資家がドルの下落を予想して、2011年からの世界の中央銀行の金買い越しは、400トンから600トン/年に増えました。この買いが、2010年代の金価格を支えてきたのです。

「価格調整のための金ETFの売り越しがない場合、買いの需要が増えている金価格は上がる」という市場になったのが、2010年からです。

▼(要素5)金融危機のとき、金価格は上がる傾向がある。世界的な金融危機とは、ドルの危機のことです。ドルの危機のときは下がるドルに対して、金は代替資産として、世界から買われる量が増え、金価格は上がります。例外がないといっていい要因です。金融危機の場合の金価格の上げは2倍から3倍でしょう。

長期で、4倍から6倍に金価格を上げる要因は、以下のように、整理できるでしょう。金価格の本格的な上げとは、長期的な要因での4倍から6倍への上げです。その上げの期間は、約2年間でしょう。

まとめの多変量解析

●長期の金価格=α×基軸通貨のドルの下落率+β×(消費財と資産のインフレ率)+γ×金ETFの買い越し額+δ×中央銀行の金買い越し額+ε×ドルを中心にした世界的な金融危機…。

Next: 2019年に金価格が上がった背景はどこにあるのか?

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