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これでも景気回復か?財務省が政府日銀の景気判断と矛盾する人件費減少データを公表=斎藤満

輸出の弱さは一時的ではない

次に輸出ですが、政府は輸出の弱さを過小評価しています。

世界経済が今年後半から回復するとのIMF(国際通貨基金)の見通しを過信し、輸出はいずれ回復するとの前提で、今の弱さも一時的で、景気全体に影響するほどではないとしています。

しかし、日本の輸出を世界貿易と照らしてみると、別の判断になります。

これまでのパターンから見ると、日本の輸出は世界貿易が回復拡大するときには世界のペースを上回って拡大しますが、逆に世界貿易が減速縮小する中では、それ以上に落ち込み、円安でも効果がありません。

つまり、世界貿易の変動がさらに増幅されて日本の輸出に跳ね返ります。

そして今は世界貿易が減速どころか、今年になって減少する局面で、リーマン危機以来の弱い状況です。

これまでのパターンに照らせば、世界貿易の弱さ以上に日本の輸出が弱く出る状況にあります。そして、その世界貿易ですが、この4-6月までですでに3四半期連続の減少で、WTO(世界貿易機関)の予測指数では、7-9月はさらに弱くなると言います。

日本の輸出が回復する前提がまだ整っていません。

この輸出の減少が、生産の圧迫のみならず、製造業の設備投資減少につながるようになったことが、先の「法人企業統計」でも確認されています。

景気に敏感な製造業から悪化

つぎに、景気の循環パターンをみると、景気の先導役を果たすのが製造業で、景気が良くなる時にはまず製造業が回復し、悪化するときも製造業から悪化するパターンが見られます。

製造業と非製造業の景気をそれぞれに表す指標に、PMIなどがありますが、財務省の「法人企業統計」でも十分これが示されています。

この各種データのうち、例えば企業の経常利益を見ると、製造業の利益はすでに昨年7-9月から前年比減益となり、以来4四半期連続の減益となっています。

足元では28%もの大幅減益です。

Next: 政府判断では堅調な非製造業、実際は3つの要素で数字がかさ上げされている

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