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これでも景気回復か?財務省が政府日銀の景気判断と矛盾する人件費減少データを公表=斎藤満

政府判断では堅調な非製造業、しかし…

これに対し、「非製造業が堅調で、全体の利益は高水準を維持」というのが政府の判断になっています。

しかし、ここには3つの要素が数字をかさ上げしていて、実際には非製造業もさほど良くなく、全体の利益は見た目ほどよくありません。

<第1の数字かさ上げ:数字が弱い「金融・保険」を除いている>

法人企業統計の利益には、通常「金融・保険を除く」ものが使われています。しかし、日銀の異常なマイナス金利政策の中で金融部門が疲弊し、これを含んだ数字はそれだけ弱くなります。

例えば、金融・保険を除いた経常利益は昨年7-9月は全体で2.2%の増益でしたが、金融・保険を含めると7-9月も0.8%の減益となり、今年1-3月も全体では10.3%の増益ですが、金融・保険を含めると8.2%の増益に減速します。

<第2の数字かさ上げ:「持ち株会社」の利益を二重計上>

さらに、この統計には「持ち株会社」の利益が二重計上されている分、利益がかさ上げされています。

各企業の利益から配当分が持ち株会社に回り、これが持ち株会社の利益になっているからです。この「ダブり」分が昨年度で7.5兆円あったといいます。そして今年1-3月の純粋持ち株会社の増益率はなんと250%に上り、これを除くと全体の増益分が消えてしまいます

<第3の数字かさ上げ:ソフトバンクGの中国株売却益が含まれている>

さらに3番目として、この4-6月の利益44.4兆円の中には、ソフトバンク・グループの1.2兆円の利益が入っていて、全体をかさ上げしています。

この利益の多くは中国アリババ株の売却益で、さらにサウジ政府と設立したビジョン・ファンドの利益が大きく貢献しています。

これを除くと、非製造業の利益も2桁のマイナスとなります。

これら3つの要因を考慮すると、製造業が先行して悪化し、これをカバーしていたはずの非製造業もカバーしきれなくなり、彼らの利益も悪化して全体の利益が縮小する形になってきたと言えます。

Next: 世界規模で製造業発の景気悪化が進行中、日本も景気後退局面に

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