昨年はNY市場が年末の3ヵ月間で約21%も下落しました。しかし、その後の戻りはNYの高値を奪還に対して、日経平均は高値まで92.1%と弱々しい市場でした。(『億の近道』街のコンサルタント)
20数年間を金融(主に証券)会社で過ごし、投資銀行業務や事業育成の業務を担当。「金融機関に籍を置く(安全な)立場で客観的なことを言うより、いっそのこと経営者と同じ立場で事業拡大のお手伝いを出来ないものか」と思い立ち、2005年春に証券会社をリタイアしてコンサルティング会社を設立。
相場が強くなると待機資金を増やし、自分流の投資で対応
債券市場はバブル的な買われ方をして金利が急低下
昨年は10月早々に日経平均株価で2万4,270円の高値を付けた後、年末の1万9,155円の安値まで3ヵ月間で約21%も下落しました。トランプ大統領による中国への貿易戦争発言が過激になり市場が大きく反応した結果ですが、1年って早いですね。
この3ヶ月間にNYダウ平均株価は2万6,828ドルの高値から、2万1,792ドルの安値まで約18.8%の下落となった訳ですが、比べれば日本株へ影響の方が大きく、且つその後の戻りに於いてもNYが高値を奪還したのに対して、日経平均は4月24日の2万2,362.92円(高値まで92.1%の水準)に戻したに過ぎません。
直近1年間における中長期投資家の日本市場への参加は乏しく、概ね外人投資家は売却を進めていた様子で、その中で投機的ファンドが市場を上下動させているだけでしたから何とも自主性が乏しく弱々しい市場です。
頼りは日銀と自社株買い、そしてPBR1倍のラインだけです。先月などはファンドによるグロース銘柄の利益確定とバリュー銘柄の買戻しだけ?と言った雰囲気でした。
一方、世界の債券市場は7月上旬から8月下旬にかけてバブル的な買われ方をして金利が急低下しましたが、9月に入ってからは落ち着いてきているようです。それでも主要国の市場金利は依然として低いままとなっており、日本をはじめ、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、スウェーデン、デンマークがマイナス利回りですし、米国も1.7%辺りをウロウロしています。
EUは再び金融緩和に動いていますから、場当たり大統領の思慮浅き政治が続くようであれば、米国もゼロ金利へと向かう懸念があります。先進国唯一と言える成長国の金利がゼロになるような事態は前代未聞ではないでしょうか。
そんな前代未聞な市場環境下での投資ですから、昨年からの運用には難しいものがありました。
今まで基本はドル平均法で海外株と海外先進国債券のインデックス投資を中心に、新興国通貨や日本株で(ヒヤヒヤしながら、苦笑)楽しみ程度に運用していましたが、昨年秋からは相場が強くなる度に海外株式と日本株式のポジションを徐々に落として待機資金を増やしています。もうアメリカも10年も上げているのですから。
いくつかの銘柄は売った時より上げていてチョト残念ですが、とは言えフルポジションにしておくと急落した際に素早くロスカットができるか不安ですし、(心の安定のためにも)多少の儲け損ないは諦めることにして、これに慣れるよう努力しています。
欲を出すとロクなことが無いですから(汗)。
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『億の近道』(2019年10月3日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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