売買タイミングの判断の基になるのは、「増益率の変化の度合い」
増益率の変化の大きさでサプライズの強さが決まります。増益率の絶対水準ではなく、増益率の変化というところがミソなのです。
増益の逆は何でしょうか。減益です。利益が前の年に比べて減ることを減益といいますが、同様に、利益の減る具合、利益が減った割合を減益率といいます。
減益率20%といったり、2割減益といったりします。経常利益が100億円の企業が2割減益になったとすれば、経常利益は80億円に減少したという意味です。
重ねて言いますが、株価を動かすサプライズは利益の変化率の大きさです。
たとえば、毎年30%程度の増益率を達成している企業があるとしましょう。その企業が、今年も30%の増益率を予定しているなら、サプライズはありません。市場参加者からみれば、この企業の30%増益は、いつものことね、となるからです。
しかし、前期まで数年連続して減益を記録してきた企業が、今年数年ぶりに20%の増益率を予定することが判明したとすれば、それはサプライズとなりえます。市場はこの企業のことを衰退企業だと断じていたかもしれません。衰退企業というレッテルを貼られている企業の株価は低迷しているはずです。ただでさえ、安値で放置されていますから、少しのよいニュースでも株価は上昇するのです。
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『億の近道』(2019年12月7日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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