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中国富裕層が欲しいものを先んじて買うが正解、2020年のポートフォリオ戦略=田中徹郎

<5G>

5Gに関しては当メルマガでもたびたびとり上げてきましたので、ここで改めて紹介いたしませんが、今年はいよいよ世界的にみて「5G実需の元年」となるでしょう。

5Gはすそ野が広く、検査装置や回線敷設など川上から始まって、半導体や端末装置に至るまで、今年一年かけて徐々に川下に向け、関連需要が盛り上がってくると思います。

なかでも日本の会社は、良い立ち位置にいるといえるでしょう。

すでに完成品分野ではかつての有力企業の多くは姿を消してしまいましたが、電子部品(デバイス)、素材、検査機器、製造装置など、表面に現れてこない「黒子の分野」では、圧倒的な技術とシェアを持つ有力なメーカーがたくさんいます。

<通貨秩序の動揺>

一方で気になることもあります。

世界の中央銀行の歴史は1600年代後半までさかのぼることができますが、それ以降300年以上にわたり、私たちは延々と、中央銀行が管理する貨幣システムを利用しながら生活してきたといえるでしょう。

貨幣システムの根幹は2つあると僕は思います。1つ目は通貨に対する信頼、2つ目は発行量の適切な管理、です。現在の中央銀行を見渡すと、この2点ともに動揺が見られます。

いわゆる長年の「制度疲労」というヤツで、これはもうどうしようもないと思います。

代わってみられるのは新しい通貨秩序の台頭で、その特徴をまとめると1つ目は通貨のデジタル化、2つ目は通貨の拡散ということになるでしょう。

「通貨の拡散」という言葉は僕が勝手に造ったものですが、たとえばビットコインの登場やリブラ構想など、中央銀行に依存しない諸通貨の乱立を指します。

中国はすでにデジタル人民元の発行に向け、準備をしていますし、もしかしたら暗号通貨のような投機的なものではない、「新しい民間デジタル通貨構想」が現実味を帯びてくるかもしれません。

旧来の通貨秩序から新しい通貨秩序へ移行する際に、いったいどのような混乱があるのか、それともスムーズに移行できるのか…。

大局的にはそのあたりが今年の注目点のひとつになるのではないでしょうか。

Next: 株、債券、商品など…2020年の相場はどうなる?

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