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中国富裕層が欲しいものを先んじて買うが正解、2020年のポートフォリオ戦略=田中徹郎

金融ショックのリスクを見込んで、現物資産の重要度が年々増している

昨年まではヘッジファンドと(不動産以外の)実物資産を併せて「オルタナティブ」としておりましたが、今年からヘッジファンドと実物資産を分けました。

ペーパーアセットではない実物資産の保有が、年々重要になっていると感じるからです。

また今年は株やコモディティなど、「強サイクル性資産」のウエイトを45%とし昨年から5%下げました。これは強いサイクル性を持ったペーパーアセットから、金融ショックや紙幣の過剰印刷などの影響を受けにくい、実物資産へのシフトが重要だと考えたからです。

ただし先進国(15%)、コモディティ(15%)のウエイトは変更しておりません、新興国株のみ昨年の20%から15%に下げました。新興国株を5%下げましたが、決して新興国株に弱気というわけではありません、あくまで日本株を中心とした先進国株に対する相対的な評価からです。

先進国株の3として「世界ヘルスケア株ETF」を挙げさせて頂きました、これは米中摩擦の影響や中東・北朝鮮発の地政学リスクをより小さくしか受けないからです。

さらに昨今の医薬品開発への投資額の巨額化も頭に入れて選びました、医薬品業界は今後もM&Aを繰り返し、集約化させる可能性が高いでしょう、

もちろんM&Aは株価の上昇要因です。

新興国株の筆頭にASEANを選んだのは、前半で申し上げたように、今年の中国経済は底堅いと考えるからです、同国と経済的な結びつき強いASEANには朗報です。中国株そのものにも注目しています、新興国株の3つめ目に挙げさせていただきました。

コモディティでは前段で金を推奨させていただきましたが、2に挙げたプラチナにも期待しています、兄弟金属のパラジウムとの比較感から見直されるとみております。

銀は金よりハイリスク・ハイリターンです、ここ数年目立った相場はありませんが、そろそろエネルギーが蓄積されている感じです、在庫の増加は弱材料ですが、金に引っ張られて今年は上昇するとみております、リスクが取れる方は一考の価値ありです。

アメリカ国債を組み入れてもよいのですが、少なくとも足元の価格には割高感があります、購入されるなら10年債金利が2.5%越えが目安ではないかと思います。その場面がなければ今年は見送りです。

ヘッジファンドは昨年マズマズでしたが、傾向としてヘッジファンドの収益の源泉である「市場の歪み」が、年々少なくなってきている印象です。

市場に供給されたマネーが巨大すぎ、かつ、かれらはすべての瞬間を市場の「歪み探し」に費やしております、そんな市場の環境で、かつてのようなコンスタントかつ、高いリターンを得ることは難しいでしょう。

そのような厳しい環境の中でも、ある程度収益を期待できる運用戦略として、上記3つを挙げさせていただきました。

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