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中国富裕層が欲しいものを先んじて買うが正解、2020年のポートフォリオ戦略=田中徹郎

<債券と金利>

上で申し上げたように、アメリカは政治の季節に入りますので、FRBは金利を上げづらいでしょう。

再選狙いでトランプさんが減税策をとる可能性がありますが、それがなくても昨年3度行った利下げの効果は続くでしょう。米中摩擦も小康期に入りそうですし、5G実需も出てきます。

このようなことからアメリカの景気はやや加速するとみております、したがって金利はやや上昇傾向で、現在1.8%程度の10年債金利は2.5%程度を目指す可能性が高いとみております。ですから米国債への投資をお考えの方は、少しお待ちになったほうがよいのではないでしょうか。

同様に理由で日本の景気もやや加速、長期債の利回りは水面上に浮上するとみております。

<国際商品相場>

昨年のトピックスは、なんといってもパラジウムの急騰でした。金も上がりましたが、パラジウムは5割以上も上昇です。では今年はどうでしょう。

今年の金価格上昇の三大要素は以下の3つです。

1. 中央銀行による金の買い
2. アメリカの利下げ
3. 地政学リスクの高まり、特に中東VSアメリカ

中央銀行の金購入は今年も続くのではないでしょうか、多くの中銀は外貨準備を米ドルからほかに分散したいと考えており、この動きは今後も続くのではないかと思います。アメリカの利下げはすでに停止されていますが、依然として低金利状態にあることに違いはありません、金利を生まない金の相対的な魅力は、今年もつづくのではないでしょうか。

中東や北朝鮮の情勢が安定に向かうとは到底思えません、紛争や戦闘が起きる都度、金は買われるという構図は今年も続くのでしょう。さらに日米欧は相変わらず紙幣の供給を続けており、相対的な実物資産の価値は高まるでしょう。

金はこのような観点からも今年は値上がりする可能性が高いとみております。

一方でパラジウムは少し先が見えてきたのかもしれません。依然として供給が需要に追いついていませんが、今年なかばあたりには鉱山会社による増産体制が整い始めます。

中国の環境規制によって、ガソリン車一台当たりのパラジウム使用料は増えていますが、そう遠くない将来、需給のバランスは回復に向かうのではないでしょうか。このような見立てから、パラジウムは今年前半あたりがピークで、そのあとは徐々に下降トレンドに入るとみております。

次は原油相場です。

年明け早々に起きたアメリカ/イラン間の抗争により、一次的に原油相場は上がりました。今後両国の争いがどの程度深刻化するのか、そしてそれが中東全体に拡散するのか、など不透明感が漂っており、今年の原油相場から目を離せません。

長期的な原油相場の水準は、下は1バーレル=50ドル、上は同70ドルという見立ては変えておりませんが、今年は高値を追わず安全に、もし50ドル割れがあれば拾うというスタンスで、臨みたいと思います。

毎年穀物についても少し触れるようにしていますが、異常気象といわれる割には世界の穀物生産量は安定しており、直近では4年続きの豊作です。原油とは別の意味で予測不能…。

今年もまた想定レンジを割ったときのみ出動というスタンスを維持したいと思います。

Next: 現物は長期目線で、昨年から上昇する中国コインとカラーストーン

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