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中国の「超異常気象」は天罰か?災害集中は必然、超高齢化で亡国へ=勝又壽良

憎い米国を捨てられぬワケ

中国のウイークポイントは、食生活の高度化に伴い食糧不足が顕著になったことである。「仮想敵」の米国からも穀物輸入しなければならないのである。これは、米中紛争が激化した場合、中国にとっては徹底的なマイナス点だ。早くもこれ反映した動きが見られる。

米中両政府は1月に署名した2国間貿易合意を巡り、中国側の合意履行を評価するため8月15日にハイレベル協議を実施することで合意した。『ウォール・ストリート・ジャーナル』(8月5日付)が報じた。中国は貿易合意の「第1段階」で米国からの輸入を今後2年間で計2,000億ドル(約21兆円)増やすとした。協議では、その点が集中的に取り上げられる見通しという。中国政府は米国産の大豆や豚肉、トウモロコシなどの農産品の輸入をここ数カ月で増やしているものの、現時点では目標達成に必要なペースを大幅に下回っている。

米中は、大豆、豚肉、トウモロコシなど、中国が不足気味の農産品輸入を増やすことで再確認するのだろう。最近の米国は、中国を追い詰める強硬策を相次いで打ち出している。普通ならば、中国が「啖呵」を切って1月に署名した2国間貿易合意に「難癖」をつけても不思議でない局面だ。それでも表だって反論もせず、「1月合意を遵守する」と言うのだろう。中国のウイークポイントが、食糧にあることを改めて印象づけるのだ。

中国が、米国へ深い恨みを抱えながら、前記の通り8月15日には米中協議に臨む。11月の米大統領選を控えて、共和・民主へ「等距離外交」を心がけている証拠だ。どちらかへ肩入れするような姿勢は厳禁である。

だが、本心を言えば、トランプ氏のブルドーザーよりも、少しは品のあるバイデン氏へ声援を送っていることは否定できない。トランプ大統領は、予測できない「決断」をして、中国の対応を困難にさせるからだ。中国が仮に、「バイデン大統領」を望むとしても、その前には大きな壁が立ちはだかっている。

米大統領選に翻弄される中国

バイデン氏は、討論が苦手である。咄嗟の発言では言い間違いをしたりすることが多いというのだ。

米国大統領選では、合計3回のディベートが全米へ中継されて、有権者の投票行動に繋がる。バイデン氏が、果たしてこの「関門」を無事通過できるかが問題だとされている。選挙運動前の有利な世論調査など、一瞬で逆転されるというのである。

そこでバイデン支持派が、「奇策」を考えていると伝えられる。それは、共和・民主の両候補による1対1の討論会を開催しないというもの。『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』(8月4日付)は、「バイデン氏は討論会を回避するのか」と題する社説を掲載した。

それによると、討論会に反対しているのは、自由主義と民主主義を売り物にしている、あの『ニューヨーク・タイムズ』だという。WSJは、次のように主張している。

「有権者たちは、政策提言に関する鋭い質問への回答を聞きながら、バイデン氏が討論会の圧力の下でどれだけもちこたえられるのか見る機会を与えられるべきだろう。バイデン氏が論争を回避するようであれば、側近たちが認知能力をめぐる疑念から同氏を守ろうとしているとの結論を有権者が出すのは当然だ」と手厳しいのである。

バイデン氏が、実際に討論会を忌避すれば、トランプ氏の毒舌演説会となろう。中国は、こういう米国の国内事情を見ながら滅多な発言はできないのだ。

Next: トランプとバイデン、どちらが大統領になっても中国は苦しい

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