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なぜ普通の日本人が住所不定に?コロナ下の現状維持は経済死につながる=午堂登紀雄

どんなビジネスでも「固定費は必要最小限」に

そして繰り返しになりますが、固定費負担をできるだけ少なくやること。

これは私の持論に過ぎませんが、拠点数を少なく、家賃を少なく、雇用人数を少なく、在庫を少なくして運営することです。

たとえば、私の妻はボイストレーニングスクールを運営しており、オンラインもやりつつリアルでも頑張っています。

特にリアルのレッスンは3密そのものなので売上は激減していますが、なぜ耐えられるかというと、拠点は1箇所で家賃負担が少なく、スタッフへの人件費は「1コマあたりいくら」という売上変動制にしているからです。

生徒やレッスンが増えれば人件費は増えるけれども、減れば同じように減るので、負担は最小限で済みます。

拠点数も、増やせば増やすほど固定費負担が増します。

以前、名古屋校や大阪校を検討したことがありましたが、やめておいてよかったです。絶好調なときほど「調子に乗らない」のは、私がかつて不動産仲介やエステサロンで苦い思いをした経験が活きました。

固定費の増加が致命傷になる

ボイストレーニング業界もこの10年ほどで競合が非常に増えましたが、拠点を全国に拡大したスクールはなかなか厳しいのではないでしょうか。

カルチャーセンターもほぼ壊滅状態で、妻がよくお世話になっていた福岡の教室は閉鎖されたそうです。

そういえば余談ですが、私が米国公認会計士の資格取得のために通った予備校が『ANJOインターナショナル』という学校でした。

当時はかなりのブームとなって全国展開しましたが、試験制度の変更によって日本人で受験できる人が激減し、生徒が減って破綻してしまったのです。

そのときも「急拡大し過ぎた」と言われていましたが、広げた拠点の家賃負担に耐えられなかったのだろうと思います。

もうかなり前の話ですが、代表の安生先生はとても面倒見が良く、私も短期間で合格できたなど恩があっただけに、当時も残念だなぁと感じました。

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