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子どもの発達障害で不幸になる家族、幸せになる家族。明暗分ける4つの心構え=午堂登紀雄

<心構えその4:問題解決志向で生きる>

特に家族が進学や就職を重視すると、いろいろな悩みを抱えることになりますから、勉強ができるかどうかや就職できるかどうかで一喜一憂しないことです。

むろん障害の程度によって考えるべきことは異なりますが、家族の視野が狭くなっては、できる打ち手も限られてしまいます。

たとえば、冒頭でご意見を紹介した方は、特別支援学校や就労移行支援が不充分で絶望的だということを繰り返し主張していました。しかし、絶望するかどうかは本人次第の心の持ち方です。
本人に意思があれば希望が持て、そういう施設やそこの職員たちとも手を取り合ってどういう協力ができるか、協力したり工夫したりして取り組めるでしょう。絶望は思考放棄、希望は意思です。

私の息子も発達支援施設にお世話になっているし、友人にも就労支援施設を経営している社長がいるので、どういうことが行われているか知っています。もちろん自治体や施設によって違いはあるものの、現場でがんばっている人はいるのです。

そして絶望だという人は、「なんとかしてくれるはず」と施設や制度に依存しているわけで、だから思考停止なのです。依存すれば創意工夫も自発的な努力もやめてしまうからです。すると「行政は何もしてくれない」などとこじらせてしまうわけで、もはや問題解決意識も何もなくなってしまいます。

絶望するなら「もはや誰がどう考えても策なし」と言えるまで解決に取り組んでからです。支援学校や就労支援が頼りなく不満なら、自分が動けばいい。「何を言う!努力してきたぞ!それでもダメだったんだ!」という人は、そもそもその努力の方向性が間違っていないか、努力の量が足りていないかを振り返ってみることです。

支援学級での学習指導が不充分で不満なら、自分が教えればいい。そういう教育コンテンツも売っています。そんな時間がないというなら、発達に課題がある人向けの家庭教師もいます。お金がないというなら稼ぐ努力をすればいい。私もそうしてきたし、今でもそうしています。

絶望する前に、広い視野で「生き方」を探すこと

就労支援が不充分で不満というなら家族も手伝えばいいし、たとえば農業やハンドメイド雑貨を作ってネットなどで自前で販売すれば就職する必要すらなくなります。

そういえば私の知人が運営している障害者向けの作業所では、キノコの栽培と販売を手掛けており、年中収穫できることもあり結構な収入を分配できると言っていました。そうした事業を自分たちでやるという方法だってあるでしょう。

私の息子もやはり、普通の会社に普通に就職というのは難しいかもしれないと予想しています。
なので本人が興味を持つ年齢になったら、前述の通り起業という道があることを教え、自分で商品を作って値段をつけて売るということを一緒にやろうと思っています。

もちろん障害の程度や特性にもよるのですが、進学や就職という世界しか知らなければ、発達障害者の人生の選択肢は狭くなります。

しかし家族がもっと視野を広げ、ほかの生き方を知り、それを本人に伝え、必要なら一緒に取り組めば、健常者とは違う幸せがつかめる確率は上がるでしょう。むろん最後は本人が選択するとしても、その選択のための情報や方法や世界を与えなけれならない。家族こそもっと世の中の広さを学ばなければならない。それをしないから、こじらせて周囲に毒を吐く人生になってしまうのだと思います。

Next: 幸せに暮らすアイデアを全力で考えれば、不平不満は感じないもの

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