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子どもの発達障害で不幸になる家族、幸せになる家族。明暗分ける4つの心構え=午堂登紀雄

<心構えその2:知識を豊富に持つ>

本人の障害の程度・内容・特性をよく理解し、将来の進学・就職・ひとり暮らし・結婚というイベントを想像し、そこでぶつかるであろう壁や問題に関して、先回りして何が起こるか、あるいは支援制度はどうなっているか、自分には何ができて何ができないかなどの知識と情報を得ておくことです。しかもたっぷりと。

なぜなら、知識があれば事前に備えることができるからです。

実際に問題が起こっても心の準備ができているので慌てたり落胆したりすることがないし、体制の準備ができていれば速やかに移行できます。自分が持っているリソースは何か、持っていないリソースは何か、ではその不足をどうやって補うか。

たとえば私の息子の場合、学校で勉強についていけないとか、クラスメイトとうまくやっていけないリスクがあります。それで二次障害に陥ったりしないよう、最初は私立小学校の受験も考えたことがあります。その小学校は少人数制でモンテッソーリ教育に似た手法を採用しており、自閉症のこの子には合っているかもしれないと考えたからです。

しかし、地元の教育委員会の就学担当者に相談したところ、学区の公立小の支援級も少人数制で、ついて行ける教科は普通級の児童と同じ教室で学ぶインクルーシブ形態、さらにはタブレット教育も導入されているとのこと。それで最初は公立小の支援級からスタートし、本人の希望や適応によって普通級に行くかどうかなど、都度柔軟に対応しようと思っています。

また、勉強の遅れの可能性もあるので、習熟度合いを観察しながら必要に応じて家庭教育でフォローし、いじめに遭いやすい傾向があることもわかっているので、よく観察しておくつもりです。

思春期になる中学高校では勉強以外に部活動や友人関係、恋愛などで悩むこともあると思いますが、なるべく悩みを打ち明けられる関係にしたいと思います(難しいことですが)。

仮に反抗期になっても、私自身も同じく父親に反抗し、無視し合う中高時代を過ごしましたから、どういう対応がマズいのかはある程度理解しているつもりです。

大学以降は本人の自由ですが、そもそも就職は難しい可能性が高いだろうし、職を転々とするリスクもある。だから私は進学にも就職にも重きを置いておらず、起業を教えようと思っています。

息子はいまのところ知的障害はなく、見た目は普通で表面的には障害があるようには見えません。
しかし、だからこそ周囲は普通の人として扱うわけで、なのにその言動が普通ではないことから、日本の社会では生きづらさを感じる場面が多いと予想しています。

仕事に限らず恋愛や結婚でも同様で、恋人ができにくく結婚もしにくいことがわかっています。
そこで息子が自分の特性を受容できるくらいに心が育ったら、本人の特性でも快適に生きられる環境や結婚等に関して、いろいろ話せるといいなあと思います(まあ、これは希望的観測に過ぎませんが)。

私はこれまで重度の障害者も軽度の人もいろんな人を見てきていて、関連の文献を何十冊も読み込み、支援施設や専門医の話を聞くなどして、かなりの部分を想定の範囲内にできましたから、不安はありません。

不安だ心配だという人は、その不安や心配の要因を具体的かつ明確に特定し、対処方法を考えておくことです。そして、悪いシナリオにしろ良いシナリオにしろ、何が起こりうるかを知り、予測し想像し、コンティンジェンシープラン(代替案)を複数持っていれば、その都度、軌道修正して冷静に対処できると思います。

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