<心構えその3:迷惑をかけていると割り切り、周囲を過剰に気にしない>
たとえば、小さなお子さんの場合。ADHDだと落ち着きがなく、騒いで周囲に迷惑をかけることが多いですから、それで外出がつらいという人は少なくないと思います。
あるいはASDだと癇癪癖が強い傾向があり、ちょっと自分の思い通りにならないことがあると、この世の終わりかの如く大泣きし、家族はオロオロすることになります。それで外出を躊躇するようになる気持ちはよくわかります。
私も息子が2歳ぐらいのときは、とにかく癇癪が激しく電車の中でも絶叫して泣き叫び、いくら抱っこしても大きくのけぞってわめくなど、それが15分とか20分とか延々と続くわけです。
周囲から白い目で見られるし、不憫に思ったであろう他の乗客が寄ってきてジュースをくれたりしても振り払い、暴れる息子を抱えて汗びっしょりとなり、電車を降りたあとはぐったりと疲れたものです。
それで代わりに車を利用しようものならチャイルドシートを嫌がり車の中でも大絶叫。さらにスーパーに行ったら果物や肉類のパックなどに指プチをするので油断ができません。
5歳になったいまは癇癪こそほとんどなくなったものの、ADHD傾向が強く出てきて、電車内を走り回り、ぶつぶつ独り言を言ったり、保育園でも突然大声を張り上げて先生に注意されたりしています。パーッとどこかへ走り去ってしまうので、遊園地やショッピングモールなどで迷子になること数知れず。
そこで私が取っている方法ですが、これはおそらく多くの人がやっているであろう、「お菓子」と「タブレット」を持ち込むことです。お菓子は複数種類を持って飽きるのを防ぐ。タブレットも複数の知育アプリやゲームアプリを入れて飽きるのを防ぐ。これで夢中になってくれるので公共交通機関での移動は少しラクです。
それと、なるべく通販を利用することで買い物の外出を減らしています。外出は病院とか純粋に遊びに行くときだけにしたいところです。
もうひとつは、迷惑をかけることを前提に、周囲に告知しています。保育園には自閉症であることや彼の特性は伝えていますし、公共の場所で癇癪を起したときは、たとえばいったん電車を降りたり、それができない場合は「すみません、この子自閉症でこういう傾向が強いんです」などと卑屈にならず、堂々と謝っています(むろん無礼なことを言われたら全力で反撃しますが)。
積極的に迷惑をかけろということではなく、むろん迷惑をかけないで済むならその方が望ましい。しかし現実はそう簡単ではありません。だから、子育てはそもそも周囲に迷惑をかけるものだという前提で、他人からどう思われるかを過剰に気にしないことです。