fbpx

山本太郎「れいわニューディール」は日本を救うか?メロリン給付金1人60万円は熱意だけでは配れない=原彰宏

3つの危機打開政策

れいわ新選組が訴える「3つの危機」とは、以下となっています。
・生存の危機
・社会インフラの危機
・原発災害、気候変動の危機

ここからは「ポストコロナ」のイメージですね。

実際には、この3つの危機は、コロナ感染に関係なく課題としてあったというのが、正確な表現かもしれません。とくに「生存の危機」を回避することが喫緊の課題としていて、生活に関わる様々な負担軽減を訴えています。

具体的には、れいわ新選組が強く主張している「消費税廃止」です。なにせ消費税廃止は、れいわ新選組の「一丁目一番地」ですからね。さらに、社会保険料負担軽減、収入改善として、全国一律で最低賃金1,500円にすることを訴えています。

消費税廃止

消費税廃止については、山本代表が事あるごとに、いろんな所で主張しています。消費税の存在が、生活者の家計を圧迫しているというものです。

そもそも、消費税を導入した目的が「直間比率の見直し」でした。税収割合において、所得税などの直接税の方が、消費税のような間接税よりも比率が高く、税収が直接税に偏りすぎて安定しない(所得税収などは経済状況で増減しやすい)から見直そうというものでした。

財務省ホームページ資料によれば、2018年度実績額では直間比率(国税+地方税)は「64:36」となっています。
※参考:税収に関する資料 – 財務省

海外比較の表があり、米国は「76:24」、英国「57:43」、独「55:45」、仏「55:45」
となっていて、日本は欧州諸国はと比べれば、確かに直接税に偏っていると言えますが、米国と比較すれば、むしろ米国のほうが直接税に偏っているということになります。どれくらいの数字にすれば、理想的な直間比率になるのでしょうか。消費税は、広く国民が負担する安定した税収となるので、長く維持しなければならない社会保障などの財源にはちょうどよいと言われています。

ところが、れいわ新選組は、消費税が社会保障制度維持に使われていないのではと指摘しています。

民主党野田政権時に、当時の民主党・自民党・公明党の「三党合意」で、消費税率を引き上げる代わりに、消費税を社会保障制度維持のために使う目的税化にすることを約束していたのですが、自民党が政権を取ったら、この約束は守られませんでした。

消費税の一般財源化、つまりプライマリーバランス(政府支出を国債発行なしで税収の範囲で賄う)改善のために使われているのではとの指摘があります。

もともと逆進性、つまり低所得者ほど税負担感は重くなるのではと言われている税制度なだけに、社会保障維持のために消費税が使われないなら消費税は廃止にすべきだと、れいわ新選組は主張しています。

消費税がなくなれば国家財政はどうなるのか

社会保障費が膨らみ、支出が増える中で収入源である消費税がなくなれば、国は立ち行かなくなるというこれまでの主張は、すごく当たり前のように聞こえてきますが、社会保障などの国の政策を税収入ではなく国債発行で得た資金で行えば良いする立場が出てきました。

れいわ新選組は、後者の立場を取っているのでしょう。

それゆえ、消費税を廃止しても、国家は成り立つ、国民サービスは維持できると考えています。

消費税は、それこそ個人が消費行動を行った時に支払うもので、不要不急の外出を控えている状態では、生鮮食品は買うとしても家計への負担感は大きくなくなっていない感じはあります。

むしろ、水道料金や光熱費、通信費の免除政策は、ダイレクトに個人家計負担を軽くしてくれるので、大きなインパクトがあると思います。

ただ政策立案側としては、直接給付のほうが「やっている感」を強く打ち出せるので、光熱費等を立て替えるような政策は好まないのでしょう。かなりうがった見方ですけどね。

Next: 全国一律最低賃金1500円、社会保険料負担軽減など弱者救済に重点

1 2 3 4 5 6 7 8
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー